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「落ち着きましたか?サラン様、」
「はい、レミルさんありがとうございます。
もう、大丈夫です。
…アーサー様もご迷惑をおかけしました。
すみません…
少し動揺してしまって…」
先程、軽く気絶していたサラン。
今は果実水を飲み、ソファに腰掛けている。
レミルはテーブルを挟んでサランと向き合うようにソファに腰掛け、
アーサーは2匹の子供を両手に乗せてレミルの横に座った。
「お姫さま、まだ体調が良くないのに、
俺がたくさん話しすぎました…
すみません、」
「ギャウ」「キャン」
「いえ、違うんですっ、
わたしが、ただ…アーサー様の瞳の色と、子供たちの色が同じだったことに、気づいただけなんです」
「?…と、おっしゃいますと?」
「キャーウ」「ガウー」
いつのまにかテーブルを渡ってサランの膝上にたどり着いた2匹。
エルディオとティラシュアをそっと両手ですくい、
抱きしめる。
「この子たちの瞳の色は、フィオリ様の青と、
…お恥ずかしいですが…
わたしの瞳の色だと思っていました…。
でも、アーサー様の瞳の色を見た時、
この色は、自分の色ではなくて、もともと
フィオリ様やアーサー様、そちらのお家から受け継がれるものであったのだと、
わかったのです。
そう思うと、
悲しくなってしまって…
この子たちが生まれたばかりの時は、
この鼈甲飴みたいな色を持つこの子たちの存在が
わたしを助けてくれたから…
自分の家族だと、思わせてくれたから」
「キャウ」「ギャムンッ」
「ふふ、励ましてくれているの?
ティラ、エル…ありがとう。
すみません、気を失う失態をお見せしました…」
一通り述べた後
サランはレミルとアーサーに頭を下げた。
「サラン様、顔をあげてくださいっ」
「お姫さま…」
「サラン様…確かにアーサー様の瞳は御子様の瞳の色と酷似しております。
けれど、アーサー様の瞳の色はアーサー様の生みの親の瞳の色なのです。」
「?」
「エルディオ様やティラシュア様の瞳の色は
エルディオ様やティラシュア様の生みの親、
サラン様の瞳の色です。
そうですよね?」
「…はい、この子たちの瞳は
わたしの持つ色と同じに見えます…
でもっ、片方はフィオリ様の色です…」
「ええ、そうですね。
アーサー様のご両親も、
母親が黄、父親が黄の色をお持ちだったようですから。」
「…親から半々に色を受け継いでいる…
ということですね、?」
「その通りです。
ですから、断言はできませんが
御子様もサラン様の色を受け継いだ…可能性があるんです。
…励ましにはなりませんよね…、」
「いいえっ
レミルさん、ありがとうございます。
色などで、この子たちと縁が切れるわけでもないのに、
わたしが勝手に落ち込んでいただけですもの。
それに、今のお話を聞いて、
とても心が軽くなりました。ありがとうございます」
その言葉にレミルとアーサーは嬉しそうに笑う。
2匹はまたテーブルを渡りレミルとアーサーの間にすっぽり収まっていた。
レミルが教えてくれたことが本当だとすると
やはり、
この子たちの色は自分とフィオリの色ということになる。
そうだとさらに嬉しい。
けれど、そんなことがなくても、
見た目は自分とフィオリの色だし、自分の愛する子どもだということは変わらない。
それに…
「ふふっ、ティラ、エル。
フィオリ様やレミルさん、アーサー様の色を持たせていただけて
とっても幸せね。
2人とも、お父様方のように大きくなりましょうね」
「キャウ!」「ガウー!」
「ふふ、それは恐れ多いですね、でも、
とても嬉しいです」
「わーっ、チビたち俺みたいに大きくなるの?
美味しいご飯をたくさん食べようねー!」
「キャイーー」「ギャワーー」
レミル、アーサーに囲まれて、小さなしっぽをふる子供たち。とても微笑ましくてサランも笑う。
(なんだか、フィオリ様の瞳の色が…
フィオリ様、が恋しく…なってきました…)
フィオリの深い青の瞳。じっと見つめられれば吸い込まれそうになる程の、瞳。
『サラン』
声…も。低くて太くて…胸をキュッとつか…
(って、いけませんっ。フィオリ様のお帰りをしっかり待つんです、わたしっ…)
ペチペチ、と軽くほおを叩き、4人に向き直る。
(やっぱり、綺麗な瞳)
レミルの青も、アーサーの黄も、2匹の青、黄も。
とても綺麗だ。
(あら?そういえばアーサー様の瞳はご両親から受け継がれたのでしたよね?…
フィオリ様も、ご両親から…?
でも、フィオリ様の瞳は両方青色ですよね?…
フィオリ様とアーサー様はご兄弟。
母親が違うとしても、父親は同じ方ですよね…
では、なぜ?)
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