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「どうした?サラン」
サランは己の服に指をかけていたが、その動きを止めた。
今は、先ほど食事中にフィオリが汚した服を洗うことと
風呂へ入ることを目的として脱衣所へやってきたところだった。
しかし、サランは脱衣をやめてしまう。
だって、恥ずかしい。今まで王の前で裸体を晒したことは何度もあったけれど、それは、子作りのためで…
ソアにいた頃も親と入浴はしたことがない。兄弟とはあるけれど…。でも、ここはハーシュッド国。郷に入れば郷に従え…
もんもんと考えているといつのまにかフィオリが先ほど汚した衣服を脱いで洗ったようだ。
「脱がしてやろう」
後ろからそっと服の紐を解けられてしまう。
「あ、自分で…」
顔が赤くなっていくのがわかる。
スルリと、着ていたものが床に落ちた。
「サラン、下着も脱がすぞ」
「っはひ…」
臀部にフィオリの骨張った、太い指が触れる。
どう考えてもフィオリは服をつかんでいるのに、少し触れただけで体のすべてを支配されたように緊張してしまう。
さらにタチが悪いのは、身体の奥からじんじん、と生まれる熱い欲。もっと、触れて。なんて。
(恥ずかしい…)
「サラン、緊張しているのか?」
「はい、とても…」
下着も何も身につけていないサラン。足元で不思議そうに見上げる2匹の子ども。
(わ、わたし…子どもたちの前でも王様に、欲情…するなんて…恥ずかしい…馬鹿、です…)
「ふっ」
(え?…王様、今、笑った?)
フィオリは、耳まで赤くさせるサランが可愛くて笑ってしまった。恥ずかしそうに、けれど何かを延々と考えている様は好ましい。
まあ、予想はついているのだが。と、フィオリはサランを横抱きにしたまま浴室に入った。2匹は楽しそうに後ろからついてくる。
「あっ、王様…」
肌が密着し、且つフィオリに全身を一目で見られてしまうような体勢。
身体中が熱い。血流が良くなっているのがわかる。もう、パンクしてしまいそうだ、とサランは涙目に。
「サラン…そんな初心な反応をするな…我も己を抑えているのだから」
至近距離で見つめられ、カアアッと音がしそうな程に真っ赤に体を染めるサラン。だから、それが欲を沸かせる引き金となるというのに。今後じっくり教えてやらねばならんな。
フィオリは湯を体にかけることをサランに伝える。
すると、落ちないように、か、フィオリの首に腕を回してぎゅっとくっついてきた。
サランの小さな乳首が自分の胸板に当たった。
立ち上がりそうな己を沈めるために目を逸らしたフィオリだったが、逸らした先が悪かった。白く綺麗なサランの脚と、ちょこん、と居座るサランの性器だった。
バシャアア!!!
ぬるま湯を何度か浴び、そのまま湯船に浸かった。フィオリは今心を無にすることで成り立っている。
サランは久しぶりのお風呂に恥ずかしそうにしながらも、フィオリの腕の中ではしゃいでいた。
そんな母親を見た子どもたちも、フィオリから掛け湯をしてもらい、犬かきをしてサランの腕の中へたどり着いた。
「王様…気持ちいい、ですね…」
「…ああ」
「エルディオ、ティラシュア、気持ちいい?」
「キャウー!」「シャギャッ!」
「ふふ、よかった」
フィオリの大きな胸板に背を預けるようにして肩まで浸かるサラン。つまりは、フィオリの男性根の上に、あのぷりりんとした尻を乗せているわけで。
「サラン…我の横に座るか…」
「は、はい」
いつ立ち上がってもおかしくはない。あれの上にサランを乗せているわけで。
こんなところでサランを怖がらせるのは得策ではないと考えたフィオリはサランを隣に来るよう提案した。
サランがちゃぷ、と音を立てて少し立ち上がる。サランが横に座ることを確認すると、フィオリも肩の力を抜いた。
「…」
我慢することは体に毒だな…
そして、今日は乳白色の湯でよかった。と、フィオリは思った。
「ガウー」
「…?なんだ、ティラシュア。我に用か?」
「ガウーウー」
「ふふ、ティラは王様に甘えているのですね」
「…そうか」
ティラシュアを片手で持ち上げる。目線は同じ高さだ。
見れば見るほど子猫にしか見えないが、これも獣化なのだろう。まったくもって瞳は父親に似ている。
「お前はエルディオよりも強気だな」
口から火を出すことで我に威嚇したのもこの子だった。まさか生まれて間もない子が魔法を使うとは思っていなかったのだ。昨日、そのことを初めて知り、どれだけ驚かされたことか。
「ギャーウ」
嬉しそうに鳴く我が子に笑みがこぼれる。
この子はいつのまに母親を守るための術を身につけたのだろう。しかも、火魔法か。
「ふふ、王様、この子はわたしが寒がっていた時に、暖炉に火をつけてくれたのですよ」
「…なるほど。よくやったな、ティラシュア」
「ガウー!」
「…キュウン…」
ティラシュアをサランの腕の中に戻すと、エルディオが鳴いた。
エルディオを片手で持ち上げる。
「どうした、エルディオ?」
「キャーウ…キャーウ」
「エルディオは、魔法が使えるティラシュアが羨ましい、と。今は、王様に甘えていますね」
「エルディオ。お前は何を得意にしていくのだろうな」
「キャウー」
「我もサランも、ティラシュアもレミル、アーサーも。楽しみにしているからな」
「キャウ!」
撫でてやると腹を出して喜んでいる。
エルディオもサランの腕に戻すと、2匹は互いを舐めあった。
「ふふ、楽しいみたい…」
「ああ。そうだな」
湯から上がるまでもう少し。
それまで2人は我が子を見つめて幸せそうに微笑み合った。
フィオリに獣化について聞きたかったのだが
それすら忘れてしまう幸福な時間だった。
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