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パーティーは無事終了した。客室に来賓を案内し、本日の役目を終えたサランは、王から一息ついておいでと、先にに入浴した。
風呂から上がり、自室に戻ったサラン。
「…はぁ、とても、煌びやかで…まぶしてくて、あっという間でした…」
すよすよ眠る子どもをひと撫でして机に向かった。日記を付けたのだ。とても嬉しくて胸がいっぱいな気持ちを。 稚拙だけれど丁寧に。
ぱたん、と1ページしか使われていない真新しい本を閉じた。このまま眠ってしまえそうな心地よさに口角が上がる。
(とても素敵な結婚式でした…)
「サラン」
「フィオリ様…」
同じく入浴を終えたフィオリが自室に戻ってきた。
2人は抱きしめて、今日の高揚感と幸福感を分かち合った。
窓から見える街の灯りは多く残っている。今日が婚儀のためお祭り騒ぎが夜が明けるまで続くと知らされた。
「さあ、もう遅い。サランはこれで休むといい」
「?フィオリ様は」
「来賓がいる前では眠らない。レミルもアーサーも」
「そうなのですか…」
「心配はない。ここの階には立ち入りできないようにしてある。ゆっくり休んで良いぞ。我たちは城内の警備をしているから」
「では、…両親のもとを訪ねてもいいですか?」
「…ああ。いいぞ。ただし我が付き添う」
「はい。ありがとうございますフィオリ様」
きゅっと抱きついてサランはにこりと笑う。きっとこの興奮が収まらないのだろうとフィオリは苦笑いした。
子どもはこの部屋に置いていくつもりだったのだけれど、エルディオが目覚めてしまった。
「あら、どうしたの?まだ眠っていていいのですよ?」
「キャウ…」
この子はつい先日まで世話なしでは生きられなかったほどの体調不良が続いていた。心配だ。置いていくなどできない。
「サラン、それならその子も連れて行け」
「でも、今度はティラシュアが1人になってしまいます」
「なら2人ともだ。眠ったまま抱っこしてやれば起きもしないと思うのだが?」
「…ふふ、そうかもしれませんね…では籠のまま運びましょう。ハンカチをかければ眩しくないでしょうか」
「キャウ」
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