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皆驚いた。
サランを守ったエルディオに対して。
(フィオリ様じゃない!)
人の姿をした、エルディオが男の腕を掴んでいる。
静かに腕に力を入れているようで、みし、と腕から悲鳴が上がった。
その間、フィオリはサランを解放し、抱き寄せたまま男へ魔法を掛けたようだ。
廊下からはレミルが入ってきて、男を連れて行った。
アーサーは手早くソア国王たちの手当てをした。
しかし、そんなことよりも…サランも、サランだけではなくみんなも思っている。1つの疑問。
「あなた、エルディオ?」
「キャーウ」
人間でいう、6歳ほどの姿をした裸の子ども。返事にはいつもと変わらない鈴のような可愛らしい声。白色のような銀髪と、青と黄色の瞳。間違いなく…エルディオだ。
しかしなぜ、人間の姿に。
片割れのティラシュアも驚いているようでじっとエルディオを見ている。「ガウ…?」
「エルディオなのか…」
「キャウ」
フィオリに対してにこにこと答えるエルディオ。
「よくサランを守ってくれた」
「ありがとう、エルディオ…」
「キャウ!」
サランに抱きつく姿は本当に子供らしい。今までと変わらない可愛らしさだ。
しかし、サランは今まで育ててきた子犬のような息子ではなく、人間の子どもに抱きつかれることに違和感があるらしく、
「えっと、エルディオ???」
「キャウ?」
ぱちくりと瞬きを繰り返してしまった。それはちょうど日をまたぐ10秒前のことだった。
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