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「ふう、終わりました…」
「はあ、終わったーー!」
5日後、面接官としての役目を終えた2人はソファに体を預ける。その開放感が伝わり、フィオリも思わず笑みを零す。
「ふ、よくやったな2人とも…あとは我が選抜しておく。ゆっくり休むと良い…」
フィオリがそう言うと、ちょうどレミルが紅茶の用意をして書斎に戻ってきた。子どもたちはその後ろをついて歩いている。じっとすることが苦手で、誰かが動くたびに後を追っているのが、最近の日常である。
「ふふ、いただきます」
「ありがとうレミル」
「いえいえ。お二人ともお疲れ様でしたね」
全員が着席すると、子どもたちも小さな木材の椅子を引っ張ってきて、サランの両サイドに座った。
フィオリが座っている椅子は、脚に獣の彫刻がしてある大理石の椅子である。
もともと、書斎机とその椅子が一式しかなかったこの部屋であるが、今では新たに3人分の椅子と机が置かれるようになった。
4つの机を合わせて座るのだが、子どもたち用の椅子もある。
しかし、子どもたちの椅子だけは木材だ。椅子を引きずって床を傷つけることが何度もあり、サランに叱られたという経緯があるからなのだが。
「もう、2人とも、椅子は持ち上げて運ぶのですよ」
ぷりぷり、と叱るサランの様子から分かるように、まだ2人は引きずって物を運んでしまうようだ。
「キューン」
「ガウー」
そして余談だが、大人4人が向かい合って仕事をするため、子どもたちは広い書斎の部屋の周りをよくかけっこしていたりする。これに関してはサランは一緒に遊んでられない時があるため注意をしていない。
そんなわけで、今日もまた仕事が始まる。
コンコン
壁一面の窓ガラスなのだが、そのどこからか音が聞こえた。そちらに視線をやればそこには…
「サーシャさん…!」
「…」
「ギャウー!」「キャウー!」
緑のローブを身に纏ったサーシャの姿が。これには皆驚いた。
サランは笑顔で席から立ち上がる。
子どもたちもつられて立ち上がる。
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