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帰り道 2
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帰り道は時間も遅かったから人があんまりいなかった
ネコのストラップを眺めながら先輩の事を思い出す
サヨナラをしてまだそんなに時間は経ってないのに泣きそうになって上を向いて深呼吸をする
ずっとその繰り返しだった
「最近泣きすぎてもう涙も出ないよ」
暗闇の中ポツリと呟いた
家に着くと父はリビングでお酒を飲んでいた
「すみません。遅くなりました」
父はチラッとこっちを見てまたすぐテレビを見た
「お父さんご飯は食べたの?」
今からなにか作ろうか、と言ってキッチンに行くと
カップラーメンのゴミがたくさんあった
「お父さん、カップ麺ばっかり食べてたらダメだよ、しっかり白ご飯…」
「っせーな」
「え…」
「うるせーって!だいたいお前が男の所に行ってるからだろ?飯も作らずに行きやがって」
「男って…」
「どこで捕まえたか知らないけどあんなイケメン捕まえて、また男を騙して遊んでるのか、懲りないやつだ」
「なんで僕が柴崎先輩と一緒にいた事を知ってるの?」
怒られる事より先輩の事を言われたことに驚いた
「なんで?そんなのどうでもいいんだよ」
父がどんどん近づいてくる
(お父さん…怒ってる)
「また人に迷惑かけるつもりか!」
声を荒らげて僕に掴みかかった
「ふざけんじゃねぇ!俺はこんなに苦しんでるのにお前は次の男と楽しく過ごしやがって!」
父が思いっきり殴る
(僕がお父さんを苦しめてるのに楽しんで…)
「ごめ…ん、なさ、い…」
そんな僕の声は一心不乱に僕を殴る父には届かなかった
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