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達紀が俺に冷たいのは今に始まった話ではない。俺はため息を吐いて、軽く身体を洗いに風呂場に向かった。
「うーん、良い天気ね」
夏の太陽が燦々と照らす中、俺達家族はガラス作り体験をするために旅館近くのガラス工房を目指す。
(……暑い…)
この時期は朝から暑い…昨日は1回だけといえ、達紀に犯されたせいでゆっくり休めなかった俺の体力は限界に近い。
「さすがに暑いな…ガラス作りは少し休憩してからにしましょう」
「そうね、そうしましょう」
ガラス工房に着くと達紀が休憩を提案する。いくら旅館から近いと言っても数分歩いただけで汗だくになる気温だ、俺達は工房の隣の売店の休憩所で休む。
「はい、美咲さん、陽」
達紀は売店で飲み物を買って母さんと俺に渡す。気遣いのできる優しい夫に母さんは笑顔を見せる。
「ふたりとも無理はしないでね」
俺を犯している人は思えない暖か味のある言葉、こうして家族として過ごしている時の達紀はただ優しい。休憩を終えた俺達はガラス工房に入る。色取りどりのガラスが棚に並べられている。
「ではこれよりガラス作り体験を始めます」
工房には俺達以外の家族連れも多くいた。
「陽…あなたは何色のガラス作るの?」
「赤…」
「あなたって本当にその色好きね」
即答した俺に母さんは苦笑する。俺は不慣れながらもなんとかガラスのコップを形にできた。
「明日には出来上がるらしいから次行きましょう」
ガラスを工房に預け、俺達は観光名所となっているひまわり畑に向かう。
「…うわあ…」
真夏の陽射しを受け伸び伸びと育ったひまわりが眼前一面に広がる。母さんは数百万本はあるのではないかと思わずひまわり畑に感嘆の声を漏らす。
「美咲さん、陽、写真取りますよ」
達紀がスマホで母さんと俺の写真を撮る。写真を撮り終えたあとは3人でひまわり畑を回ったり、売店でアイスを食べたりした。
日が暮れるまで観光した俺達3人は旅館に戻る。
「今日は疲れたわね」
旅館から離れた場所にこそ行ってないが、あっちこっち回ったせいで疲れた。
「ふたりとも先に温泉に入ってさっぱりしたらどうですか?」
「それもそうね」
母さんは達紀の提案に乗り気で応える。達紀とふたりっきりになるのが嫌だった俺も達紀の提案に大人しく従った。
「ふう…」
ようやく独りなれた、母さんや達紀と一緒にいると気を使い過ぎて疲れる。母さんに達紀と寝ていることは何がなんでも隠さないといけない。そう常に言い聞かせながら物分かりの良い息子を演じている。物分かりの良い息子を演じているが俺の演技は大根役者そのもので少し突っ込まれればあっさり化けの皮が剥がれ落ちてしまうようなものでしかない。それなのに今まで母さんにバレなかったのか?その理由はあまりに単純だった。
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