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(ダメだダメだ…)
後ろ向きになる心を無理やり奮い立たせヴァイオリンの練習に没頭する。
「頑張っているようね、陽」
「うわっ…!!」
いきなり後ろから話し掛けられた俺は思わず飛び上がる。それを見た母さんは目を丸くした。
「か、母さん…?」
「ごめんなさい、驚かすつもりはなかったの」
オーバーリアクションを取った俺に母さんは少し申し訳なさそうに眉を寄せた。
「俺のほうこそ、急に変な声出してごめん」
「それより、今度ヴァイオリンのコンクールに出るみたいだけど…」
母さんは少し嬉しそうに微笑む、それを見た俺は達紀との関係のせいで心臓を握り潰されるような罪悪感を感じてしまう。
「ま、まあ、好きでやっているから」
「ふふふ…そう」
俺に言葉に母さんは笑みを深める。
「じゃあ、邪魔になると行けないから、そろそろ行くわ…っとこれは差し入れね、休憩する時にでも食べて」
母さんはスコーンとコーヒーの入ったバスケットをサイドテーブルに置いて防音室を後にした。俺は母さんの気遣いに感謝しながら練習を再開する。どんなに男に犯され、男を求めるような身体になってしまっても俺はヴァイオリンが好きなんだな…と実感する。ヴァイオリンを弾いている時だけ幸せを実感できる。
ヴァイオリンのコンクールに出ることが決まって、1週間が経過した。俺は自分に期待している母さんのためにも少しでも良い成績を残そうと毎日朝から晩までヴァイオリンの練習に時間を費やしていた。
「ふわぁ…」
そのせいで寝不足で辛い。あくびをしながら授業を受ける。何度も船を漕ぎながら何度か授業を受け切る。
「ふわッ…」
放課後になってもあくびが止まらない。俺は急いで帰り支度を進める。誰かに見つかって犯される前に帰って練習したい。
(やっぱり眠い…)
睡眠時間を削ってまで練習しているせいで眠気が凄いことになっている。
「お、おい!!赤城!!」
遠くで人の声がする。眠気のあまり意識を失った俺はそのまま階段に投げ出される。
「あ、危ね…」
男の苛立った声が俺の耳に届く。床に叩き付けられると思っていた俺はそっと目を開けるとそこには歴史授業を担当している畔が俺を不機嫌そうに見下ろしていた。
「……階段付近で寝ようとしてるんしゃねーよ」
畔がチッと舌打ちを俺は目を擦り、畔の腕から離れようとするが、なぜか畔の腕にガッチリホールドされる。
「……離せよ…ふわぁ…」
「そんなフラフラの状態で何言ってんだよ」
1回階段から転げ落ちそうになってなお眠そうな俺に畔はやれやれとため息を吐いた。
「………じゃあ、なんで畔の固いモノが俺に当たってんだよ」
眠そうな俺の太股に畔の固いモノが当たっている。俺の指摘に畔はあくどい笑みを浮かべ、俺を横抱きに持ち上げ。
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