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「はあ……」
ヴァイオリンの練習は楽しい…けど、決して楽しいだけではない。俺はスマホで時間を確認してため息を吐いた憂鬱な気分になりながらヴァイオリンを楽器ケースにしまい、俺は自分の部屋に向かい、クローゼットを開き、Tシャツとハーフパンツを脱ぎ捨て、外出用の黒いYシャツとスラックスに着替えた。コンクール本選に向けて猛練習中の俺は時に学校を休んでまで練習している。できるだけ、ヴァイオリンの練習に費やしたい。
「…はぁ…行くしかないか…」
俺は楽器ケースを担いで家を出る。この付近でレイプされたことあるせいで家から出ることすら嫌だがコンクールが近い以上行かないと言う選択肢
がなかった。俺は周囲の目に怯えながら正臣の教室に向かう。
「やあ、陽くん…いらっしゃい」
正臣が俺を出迎える。普段は優しくて良い人なのに、時折見せる父さんへの執着心のせいであまり会いたくない相手だが、ヴァイオリンの講師として正臣の腕は超一流で、師として優秀だったせいで関係を切れずにいる。
「早速始めようか?」
中に入った俺は楽器ケースからヴァイオリンを取り出し、正臣のレッスンを受ける。正臣は俺の他にもたくさんの生徒がいて中には有名なコンクールに入賞する生徒もいて、正臣はヴァイオリン講師としてそれなりに有名だ。正臣が父さんの教え子だったとは言え、彼のレッスンを受けられる俺は幸運だろう。
「うんうん、前のレッスンで直してって言ったところちゃんと直しているね」
俺の演奏を聴いた正臣は何度も頷く。この教室で何度も正臣に抱かれたことのある俺は正臣に怯えながらレッスンを受ける。正臣のレッスンは受けたいが、正臣に犯されたくない。いくら男のモノを挿れられて感じるようになったとはいえ、できるだけ犯されたくないし、セックスは体力を使う。今コンクールに向けて大事な時期だ…できるだけ1分でも多く練習したい。そんな俺の願いが通じたのか、正臣は俺に特に何もすることなくレッスンを終えた。
それから俺は正臣の元に足繁く通い、レッスンを受けたが、正臣が俺を犯すことはなかった。達紀も仕事で忙しいため、ほぼ寝るためだけに家に帰って来る有様で、俺に構っている時間は皆無。束の間の平穏を手に入れた俺は1日の内ほぼ全てをヴァイオリンの練習に注ぎ込んだ。誰かに犯されることなくヴァイオリンに集中できる環境はこの1年…俺が死ぬほどほしかった環境で、それが例え仮初だったとしても俺は今の状況に幸せを感じていた。誰構わず襲われる異常な状況から逃れたかった俺はいつも以上にヴァイオリンの練習に熱を入れていた。少しでもあの達紀に犯される前に戻りたい。あのヴァイオリンに人生の全てを捧げていたあのころに…。
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