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「一つ目は、僕のことは名前で呼ぶこと」
「呼んでごらん」と促し、俺はその要求に答えず黙ってるだけだった。
名前で呼ぶ、なんて、本当に付き合ってるみたいじゃないか。
俺は早坂と付き合ってるつもりはない。でも多分、早坂は俺と付き合ってる気になってるだろう。
俺は本当に早坂に「好き」と言ってしまったんだ。
信じたくなかった事実を突きつけられ、どん底に落ちた気分だった。
落ちた、というより、早坂に落とされたような。
「海斗?」
ずっと黙り続ける俺に痺れを切らしたのか、名前を呼んで催促してきた。
「は、やさか・・・・・・俺は、」
「昴、だよ。海斗」
名前を呼べと言わんばかりに俺の言葉を遮る不機嫌な声。
仕方なく震えた声で「昴」と呼べば。
「よくできました」
と、途端に満足気な声で言った。
「それで、なに?」
「すば、る。俺は、・・・・お前とっ、付き合ってるつもりは、ない・・・っ」
そう告げた瞬間、空気が冷たくなった気がした。
昴はなにも言わないけど、きっと怒ってる。
「だからっ・・・ルールとか、好きだとか、もう・・・やめてくれないか・・・・」
必死に声を絞り出した。
こんなこと言って、なにをされるかわからない。
それが一番、怖かった。
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