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台無し
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嬉しそうな彼は、こちらの気も知らないで質問を続ける。
「んで?じゃあ、ゆとくんは何年生?俺は1年...って、もしかして俺、ゆとくん先輩って呼ばなきゃいけない...!?」
「え、1年生だけど...潤も1年生なの」
「なーんだ、同い年で安心した。まあ、ゆとくんは先輩には見えないよなぁ」
そう言うと、潤は僕の頭の上に手を置いてから、空中で手を自分の方にスライドさせると、ちょうど潤の口辺りに当たる。
身長が低いからか。
自分の低身長を馬鹿にされた。
イラッとして、下から潤の顎に頭突きをする。
ごめんね、身長がちょうど良かったもんだから。
すると、「いでっ」という言葉と共に笑い声が漏れてくる。
相手にされていない感じがまた、癪に触る。
ムカつくので怒った振りをして黙っていると、潤は少し申し訳なさそうな顔を作って謝った。
「ごめんって、ね?普通にそこら辺の女の子よりは高いよ、ゆとくん」
「女の子と比べられている僕...」
身長はどうしようもない、遺伝性のものなので、身長弄りは非常に情けなくなる。
というか情けないっていうのもあるが、ただ単に気を使えという怒りが大きい。
助けて頂いたのはありがたかったが、この人とはもうあまり関わりたくない。
そう思い、狭い車内ではあるが無理やり身体を反対へ向ける。
「もう次の駅。僕、降りるから。それじゃあありがとうございました」
「何言ってるの、同じ高校なんだから俺も降りるよ?学校まで一緒じゃん、早まらないでよ」
そうだけど、嫌だって思ってることを察して欲しい...
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