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時刻は午後10時半。
東京の中心にあるここでは珍しい綺麗なビルに4人のヘッドが集まった。
朱のヘッド,名は"ミナタ"
碧のヘッド,名は"レイ"
茈のヘッド,名は"ノイ"
橙のヘッド,名は"ミズキ"
月に1度の報告会のようなもの。
チーム同士の大きな争いを防ぐための会議。
ミナタ「ミズキお前昨日も下の喧嘩に顔を出したそうだな…。お前はヘッドなんだ。もう少し自覚を持てといつも言っているだろ」
ミズキ「知るか,俺は喧嘩が好きなんだ。別になりたくてヘッドになったわけじゃねぇ」
ビルの最上階にあるのは一つだけの部屋。
真ん中に丸机が置いてあり各々自分たちの椅子に座る。ミナタは平和主義のここでは珍しいタイプ。
レイ「ミナタ,言っても無駄ですよ。そいつ脳みそ筋肉で出来た脳筋野郎ですから」
ミズキ「んだとレイ…おめェのねちっこいやり方よりよっぽど俺の方がマシだ」
ノイ「どっちもどっちでしょ~」
レイは基本的には争いは避けるがミナタ程の平和主義じゃあない。腹が立つことがあれば喧嘩を始める。
計画をたてじっくりと潰していく。
ノイは他人の意見に何も言わない。
反対もしなければ賛成もしない。言わば傍観者だ。
しかし自分が興味があることにはとことん尽くす。やり方は4人の中で最も残酷だと言われている。
ノイ「ところでミズキ,その腕に括ってるのってマフラーだよね~?なんでマフラーなんか持ってんの?」
ミズキ「あぁそうだった。レイ,お前んとこのチームに小柄なガキいねぇか?」
レイ「情報が適当すぎです。ガキなら沢山いるでしょう…。もっと明確な情報は」
ミズキ「遠くでよく顔は見えはしてねぇが,まだ15,6ぐらいだったな。服が全身黒に統一されてた…マフラーにマスク,フードを深く被ってた」
レイ「そんな子はいませんが…そのマフラーはその子ので?」
ミズキ「あぁ落ちてた。ここでは珍しい甘い香りがする衣類だ。これからは一切の血の匂いがしねぇ」
ミズキは今朝あった青年のことを思い浮かべる。
男にしては低めの背に不思議な雰囲気のある。
ミズキ「それに…」
ミナタ「それに?」
ミズキ「あいつからは朱や碧や茈や橙の能力の気配がしなかった」
ミナタ「…つまり能力を持たない青年だということなのか?ミズキ」
ミズキ「いや,能力の気配はしたが俺たちの知ってる種類外だ」
ミズキがニヤリと目を細め笑う。
他の3人は各々反応を見せたあとに同じように笑った。"種類外"とはつまり自分たちの他にヘッドになる奴がいるということ。
ミナタ「それは…面白そうだな」
ノイ「ミナタが悪い顔してる~。めっずらしい~。でも…そうだね,俺も同意だ。面白そう」
レイ「種類外…ですか」
ミズキ「フッ…あいつを見たのは橙と碧の境だ。まだいるかもしれねぇな…」
ミズキの言葉で一斉にヘッド達が立ち上がる。
その顔はまるで新しいおもちゃを見つけた子どものような顔。それは物語の始まりの合図。
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キル「うぅ…なんか悪寒が…。面倒くせぇことにならなければいいけど」
その頃キルは会議が行われている中心部へと来ていた。
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