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Vivre dans la révolution~革命に生きて
多額の寄付と手切れ金
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風月法(ヴァントーズ法)。
ヴァントーズ法は1794年2月26日と3月3日に、ルイ・アントワーヌ・レオン・ド・サン=ジュストが考案した法律。
「サン=ジュスト君、これはとっても、良い法案だな」
ジョルジュ・クートンが言う。
しかし、実現まではかなりの時間がかかった。
その法はというと、革命犯罪者や反逆者に対しての罰則法で、財産の没収、貧しい人々に分け与えるというのだ。
「こんにちは。ロベスピエール君、サン=ジュスト君」
王党派であるジャン=フランソワがジャコバン党本部に出向いた。
帽子を外し、鬘を外したジャン=フランソワはロマンスグレーに相応しいいでたちであった。
「今日は、お二人にお話がございまして、こちらにお伺いいたしました」
ジャコバン派本部秘書室
ルイはジャン=フランソワを案内した。
「こちらです」
ジャン=フランソワは別荘と馬を売却処分をして、そのお金を寄付する、と持ち掛けたのだ。
その額は、マクシミリアン達が想像を絶するものだったのだ・・・!
ディディエの父ニコラやジャン=フランソワの部下たちにもカンパを募っていた。
ジャン=クサヴィエたちに対しても、例外ではなかった。
『ムッシュ・デシャン、これ・・・使ってください・・・』
ソフィーの父・アンリ=シャルルがジャン=フランソワの半額分の寄付を申し出た。
イギリス行きが白紙になったディディエ。このままだと、危険が生じる。
実はそれには、手切れ金も含まれていた。ルイ以上に怖い男がいる。エベール、ショーメットだ。
ピエール・ガスパール・ショーメットは、ジャコバン党の過激派のひとり。
二人は男色家と悪名高く、背後には公安委員会がついている。公安委員会の耳に入ったら、ディディエは彼らの慰み者扱いとなりかねない。最悪、命も危うくなる。
「デシャンさん、そのお金はお受け取りできかねます。大切な形見が入っているでしょう?」
「いいえ、貧しい人々が少しでも楽にできるように、我々が決断したのです。今回、お願いがあり、こちらにお伺いいたしました」
「・・・はい・・・?」
ジャン=フランソワはルイを連れ出した。
「ディディエにもう、二度と近づくのはおやめください。ディディエのイギリス行きは、わたしの手配によるものです・・・」
ジャン=フランソワはルイに対して、一喝した。
「!?」
ルイは言葉を失っていた。
「わたしはこれで失礼します・・・」
ジャン=フランソワは会釈して、本部を去った。
「・・・ディディエが・・・イギリスへ・・・?」
そう言えば・・・ソフィーが自分に話しかけてきたとき・・・
7年前・・・あのときの余所余所しさ。
*****
作者yunaより。
ルイは貧困者の救済法を考案します。
それは、革命反対者や反逆者に対しての厳格な罰則法。
そんな中、ジャン=フランソワは多額の寄付を申し出しますが・・・
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