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変化。
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松崎さんが居なくなったから、緊張の糸が切れ恐怖から開放された俺は脱力感に襲われていた。
「棚木くん、立てそう?」
「…ごめん。無理。
力入んない。」
必死に力を入れているつもりだが立てても生まれたての子鹿状態で、とても歩けるレベルではない。
そんな様子を見ていた、颯斗さんは俺を抱きかかえ給湯室の椅子まで運び少し休んでいこうと言ってくれた。
ていうか俺、成人して初めて抱きかかえられた…。
「どこか痛いところとかない?
大丈夫?」
俺が何も言わないからか、心配そうな声で優しく聞いてくれる。
「うん。大丈夫。
あの時入ってきたのが、颯斗さんでよかった…。」
本当に颯斗さんでよかったと心から思っている。
何も知らない赤の他人だったら俺の首はきっと飛んでいただろうから。
「実は、本多くんから松崎さんには気をつけた方がいいって言われたんだ。好みなら男女問わず喰うからって。」
なんだそれ。
好みなら男女問わずって…ん?
俺、松崎さんの好みな感じの人間なの?
ていうか、なんで晴也が?
俺の頭には疑問が沢山浮かんでくる。
「まぁ、さっき給湯室に来たのはたまたまなんだけど棚木くんを助けられてほんとによかった…。」
「ほんと、ありがとうございました……っ。」
お礼を言いながら颯斗さんの方を向けば安堵した表情を浮かべていた。
そして、その顔があまりにも素敵に感じて俺はすぐに顔を背けた。
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