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変化。5
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棚木side
「…俺、なにかした?」
そういわれて初めて俺は無意識のうちに人を避けていたことに気付いた。
でも夢のことを言ったところで所詮夢は夢でしかない。
少しだけ昔のことを思い出してしまっただけだ。
それにこれ以上深く入り込まれたくはない。
俺はそれを隠すために適当な理由を言いその場から離れた。
~♪
着信:兄貴
気持ちを落ち着かせるために場所を変え、しばらくして鳴り響いたのは最悪のタイミングで最悪な人からの着信だった。
「もしもし。」
「母さんが倒れて搬送された。」
「…は?」
母さんが倒れた…?
いきなりのことに思考が停止する。
「ストレスが原因らしい。
命に別状はないみたいだが、仕事終わりにたまには顔でも見せてやれ。」
兄貴は、そう言い一方的に電話を切った。
昔から兄は運動も勉強もできて、おまけに顔もいいという完全な勝ち組の人生を送っている。
そんな兄貴を親父は可愛がった。
俺はというと、毎日毎日出来る兄と比べられながらも必死に努力していた。
しかし、いくらいい成績をとっても兄には及ばなくて親父から褒められたことが一度もないと言っても過言ではない。
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