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変化。10
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「うん。なに?」
なるべく優しい声色でそう答える。
先程の反応で俺が翔真に対して恐怖を抱いていることは恐らく本人に伝わってしまったと思う。
しかし、バレたとしても俺はこいつの前で兄という仕事を全うしなければならない。
「兄さんが、家を出ていったのは俺のせい?」
どストレートな質問に動揺する。
確かに、こいつのせいと言っても過言ではないのだが親父から離れたかったというのも理由の一つには入っている。
一概に翔真のせいとはいいきれないのだ。
「ごめん。やっぱ、いい。」
質問に対する返答に悩んでいると、翔真はそう言ってきた。
無言は肯定。
翔真の中ではそういう結論に至ったんだと思う。
本当はここでお前のせいじゃないと言うべきなのは頭ではわかっているけど声にならない。
「でも兄さん、これだけは聞いて欲しい。
あの時のことは反省してる。
取り返しのつかないことしたとも思ってる。」
すると翔真が一方的に喋り始めた…いや、俺が喋らないからそうなってるだけなんだけど。
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