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伝えたい想い。12
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店を出る時、翔真はこっちを見ていてニコッと微笑まれたのだが完全に目が笑っていなかった。
翔真の行動や発言を見ているともしかして俺がここに来ることを知っていたんじゃないか。などありえない…いや、ありえてほしくない想像をしてしまう。
だけど、今日颯斗さんのことを知られてしまった。
この前否定はしたものの、もし翔真が俺の恋人が颯斗さんなどとあらぬ勘違いをして颯斗さんに危害が及んでしまったらどうしよう。
だとしたら俺はやっぱり…
「棚木くん。あそこの公園で少し休まない?」
考え事をしている最中に唐突な提案をされたものだから頭が問いかけに追いつかないまま勢いで頷いてしまった。
それにしても夏の終わりごろとはいえ夜は少し冷えるから、もうYシャツ1枚じゃ肌寒い。
そろそろジャケット出さないとだな。
「…棚木くん。弟さんと何かあったの?」
「…何も無いけど、なんで?」
公園のベンチに座りしばらくの沈黙の後颯斗さんが口を開いたと思えば、その内容が予想外のことで驚く。
「いや、俺の気のせいなんだろうけど弟さんと会ってから棚木くん少しだけ元気なさそうに見えたし、それに棚木くんこの前から様子が少し変だったからそれが原因なんじゃないかなって…。」
この人はどうして俺の事がこんなにも分かってしまうのだろう。
言うことが全て図星すぎて怖くなる。
俺ってそんなわかりやすいのかなと何度思ったことか。
「もしかして今日誘ったのってそれが聞きたかったから?」
しまった。
そう思った時にはもう遅く、自分でも無意識のうちに棘のある言い方をしてしまった。
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