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048.拓磨のお話-狙われる-
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拓磨side
ガチャ…
オレは生徒会室の扉をほとんど音が鳴らないくらい静かに開けた。
「し、失礼します…」
一言だけ言って、生徒会室とは床の質が全く違う一般的な廊下から、高級そうな赤い絨毯に足を踏み入れた。
オレの目に見えたのは
広い、てか広すぎるくらいの部屋の一番奥に一人分のデスク、その少し離れた所に4人分のデスクがくっついていた。
なんだか漫画で見る様な生徒会室って感じだなぁ…
その一番奥のデスクに誰かがいる。よく見えないけど…
と、なんとなく固まってしまっていると
「おい。黒川拓磨。前に進め。」
さっき「入れ。」って言った声だ。
この声低くて少し怖い。
「は、はぃ…」
びくびくしながらオレは足を前に進めた。
だんだんと一番奥のデスクの人、恐らく生徒会長が見えてきた。男の人だ…
視界が広がって、はっきりと生徒会長の姿が見えるようになる。
黒い髪に切れ長の目。少し目つきは悪いけど…顔の前で組んでいる手は、大きそうだった。
見覚えある…
「な、尚樹くん…?」
「あぁ、そうだ、よく来たな。」
オレから尚樹くんと呼ばれた生徒会長は
低めの声で応えた。
オレが中学三年になる頃に学校を卒業した、オレの一つ上の幼馴染だ。
すっごいびっくりした。あんまり表情には出ないけど…
「久しぶりだな、拓磨。」
顔の前で組んでいる手を解いて立ち上がりながら尚樹く…生徒会長が言った。
知ってる人ってだけで少し安心した。
「拓磨がこの学校に来ていたのは一年前から知っていたのだがな、ちょっと、アレだ、」
知ってたんだ…
アレってなに…
なんだか何て言ったらいいのか分からない様な表情を察する。
「会長、それでは私がお伝えいたしましょうか?」
隣にいた低い声の人…たぶん副会長とかかな…、のメガネで背の高い人が言った。
「あ、う、うん、頼む。」
それでは、と言ってメガネのひ…副会長が片手に抱えた大きな資料を開いた。
「黒川拓磨さん、あなたは、
体を狙われている。」
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