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052.拓磨のお話-好き-
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尚樹side
俺と拓磨は小さい頃からの友達だ。
拓磨は俺のひとつ下だけど、ずっと一緒にいて、本当に仲がよかった。
拓磨の家は…アレだ…
父親が母親殴るアレだ、ドメストリックバイオリンだ…
(会長、ドメスティックバイオレンスです。)
そう、それ、ドメスティックバイオレンス。
拓磨はそんな親のやりとりをずっと肉眼で見てきた。
そして毎日泣きながら俺の家に来てた。
それは拓磨の両親が離婚するまで、つまり小学校六年の頃まで続いた。
明るかった性格は暗くなり、そのうち声も聞こえないくらい小さくなった。
拓磨が中学に入って、その性格ゆえの典型的ないじめにあった。
拓磨はもっと暗くなった。
だけど、拓磨は休むことなく毎日学校に行って勉強に励んでた。
そんな拓磨が俺は好きだった。
中学での友達は、月島伊澄ってやつだけらしい。
今の拓磨は正直、中学の頃より明るい。
月島伊澄ってやつのお陰だと思う。
俺は月島がいれば、拓磨は心配ないと思い、影で見守ってることにした。
だけど最近になって変な噂を耳にした。
〈黒川拓磨が男に好かれてる。〉
そんな声がよく聞こえた。
そしたら無性に腹が立った。
拓磨の事が好きな奴の中には、中学の時、拓磨をいじめていた奴までいた。
だから今日、生徒会室に拓磨を呼んで、キスした。
拓磨の事をそんな風に思っているのは俺だけでいい。
そんな風に思った。
絶対に他の奴らに拓磨を襲わせたりなんかしない。
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