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便利屋と蝶【1】
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カーテンを締め切っても、明るい外の陽射しが漏れてくる。
午前9時。
俺はサンクの部屋のベッドで、思わずボーッとしていた。
全裸で。
「俺って…便利屋の作戦立案担当の…割とクールなポジションだよな」
クールポジションが聞いて呆れる状況に、早くも喰や獏に助けを求めたくなった。
何故こんなことになっているかと言うと、始まりは1週間前のことだ。
俺はサンクと仕事の打ち合わせも兼ねて、食事をした。その帰り、サンク…この時は昼下がりだったから“朝”サンクだ。この仕事相手でも恋人でもあるサンクは二重人格で、6時から18時までは大人しい性格で18時から6時までわりと鬼畜な性格になる。まぁ、その事は置いておいて…その食事が終わったあと、サンクから“お誘い”があったのだ。
その…俺はいつも夜のサンクに組み敷かれている。初めは騙された形で俺が抱かれた訳だが。でも、俺とそういう行為をしているのはあくまでも夜のサンクであって、朝のサンクとはまだ1度もそういうことをしてない。
だから、朝のサンクは俺とそういうことがしたくて勇気を出して誘ってくれたのだ。
デートの回数は朝のサンクとの方が圧倒的に多かったが、夜の方は言うまでもない。せっかく頑張って誘ってくれたんだし、断る理由はなかった。
だからこうして朝っぱらからこのような状況になっている訳だが…。
肝心のサンクはシャワーを浴びた後、準備があるからと部屋を出ていってしまった。
「恋人の部屋ってだけで緊張してんのに…1人にするなよ…」
シーツにくるまる。ごろごろしていると、俺はあることに気がついた。
…ん?
………準備って、何のだ?
セックスの準備って、慣らす…とかそういうことか?いつも俺が抱かれる側だったけど…もしかして朝のサンクは俺に抱かれたいのか…?それでわざわざ準備って言って…。
「なるほど…そういうことか」
それならそうと早く言ってくれれば良かったのに。何も1人で準備する必要は無いだろう。まぁ、サンクの事だし、恥ずかしかったんだろうけど。そういうことなら安心した。俺は抱く側にいったって構わないし、そもそも初めての時はそのつもりだったのだから、何の問題も無い。
いつもとは違うけど、きっと俺ならうまく…。
「あ…!お、お待たせして、ご、ごめん、ね…!」
「あぁ、大丈夫だ……?」
パーカーだけを羽織って部屋に戻ってきたサンクは何やら大きめの箱を抱えていた。
箱からはがちゃがちゃと音がする。
俺は嫌な予感がした。
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