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零れ落ちる宝石を*rdzm*涙石病
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ロボロ視点
その日はいつも通りの日だった
その時までは
朝の賑わう食堂
けれどそこに彼の姿はない
食事の大好きな彼がいないことを疑問に思いながら俺は席に着く
するとそれからしばらくして俺の探していた人物が現れた
けれどその姿に皆が息を呑む
彼の瞳からポロポロとこぼれ落ちていく小さな水色や青の宝石たち
それは綺麗で目を奪う
けれど今はそんなことよりそれが彼の瞳から流れ出てきてることだ
t「ぞ、ゾム!大丈夫なんかそれ!」
そう言いトントンがゾムに駆け寄る
そんなトントンにゾムはつらそうな表情を浮かべながら言葉を紡ぐ
z「だい、じょうぶや、ない、なみ、だがっほうせきになって、とまらんくって、どうしたらいいかわからんくって」
そうやってとぎれとぎれに紡がれた言葉から彼の悲痛さが伺い知れる
そんなゾムをあやす様にトントンは優しくゾムの頭を撫でる
t「とりあえずしんぺい神とこ行こうか」
そう言うトントンに手を引かれ彼は食堂をあとにした
─────────────────・・・・・・・
あれからしばらくして部屋に戻った俺に1つ連絡が入る
『今すぐに会議室に集まるように』
そう綴られたグルさんからのメッセージを見て俺は会議室に向かった
────────────────・・・・・・・・
会議室につくともう既にゾムを除く全員集まっていた
そして俺が席に着いたのを見て、グルさんが口を開く
g「集まってもらたのはほか共ないゾムのことなんやけど、しんぺい神」
sn「うん、えっと、ゾムのかかってる病気についてなんだけど、『涙石病』って、病気で、涙が宝石になっちゃう病気やけど、『涙石病』って言っても色々あってゾムがかってる『涙石病』は喜怒哀楽によりよ涙の宝石の色が変わる、そして進行していくと共に宝石はでかくなる、それと比例するように記憶が消えていき、幼児化していく、そして大きくなりすぎた宝石は目を潰し、脳を潰し、死に至らしめる
そして、涙を多く流せば早く進行していく
治療法は愛する人と結ばれることっていうなんとも不思議な奇病だよ」
その説明を聞きそこにいた全員が絶望したような顔をする
g「今ゾムは?」
sn「泣き疲れて医務室で寝てるよ」
g「とりあえずそうゆうことだ、各自このことはゾムに言わぬように、そしてゾムを出来るだけ泣かせないようにするのと、1人にさせないようにすることだ、わかったな」
その言葉に全員が返事をする
彼の愛する人
もしそんな人がいるなら結ばれてゾムの病気が治って欲しいと思う
けど、それと同時に彼を誰かに取られたくなくて、感情が複雑に入り組んでいく
とにかく今はそんなことよりゾムだ
そう自分に言い聞かせてゾムの元に向かった
──────────────────・・・・・・
あれからもう2週間がたった
けれどゾムの病気は治っていない
それどころか進行が予想以上に早く、もうすぐ目が潰れてしまうかもしれないところまで来ていた
俺たちの前ではいつも明るくてこんなにゾムが泣き虫だったなんて俺達は知らなかった
むしろこの病気にかかるまで彼の泣いた姿を見たものはいなかったぐらいだ
その上彼の瞳から流れる宝石はいつも青や水色ばかり
それがさすのは『哀』
焦る俺たちに拍車をかけるようにゾムは泣くことは増えるいだぽうで、変わりにどんどんと喋らなくなっていった
r「なぁ、ゾム・・・」
静かに俺の横に座るゾムに話しかけると静かにこちらを向き首をかしげた
r「俺じゃダメなん?」
その言葉に彼は酷く驚いた表情を見せる
z「な、にが?」
どこか舌っ足らずに彼はそう問うてくる
r「ゾムの愛してる人、俺じゃダメなん?俺ゾムのこと愛しとるんやで、他の誰にも足られたくない、けどゾムがこのまま死んでいくの見るんも嫌やねん、やから、やから俺じゃダメなん?」
俺の全部の思いを乗せてそう伝える
少しの沈黙の後にぽとりと何かが地面に落ちる音がする
そちらに目をやれば淡いピンク色の宝石が落ちていた
その宝石はポロポロととめどなくこぼれ落ちてくる
けれどサイズはどんどん小さくなっていく
それに驚き、彼の顔を見つめた
すると彼は笑っていた
笑いながらポロポロと桃色の宝石を零れ落としている
その姿があまりにも綺麗で見入ってしまう
z「ダメなわけ、ないやん、むしろ、ロボロやないといけんのやもん」
そう言い流す涙はいつしかただの雫に変わっていた
そんな彼が愛しくて抱きしめる
「あぁ、ゾム、ゾム、愛してるで」
「うん、俺も」
そうやって2人出会いを確かめながら涙を流した
その涙はもう宝石ではない
そんな現状がこの物語のhappyENDを告げていた
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