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「ゔぅ……体が気持ち悪い……」
男と行為が終わって今は伊織先生の診療所に向かっている。
いつも通り発情して、セックスして、素面に戻れば俺のせいにしていく。
罵倒されることはもう慣れた。でも発情し終わった後に残る感触は慣れない。
早くシャワーを浴びたい……
「先生、シャワー貸して」
「梓くん、また……?」
「…こんな体質だからね……じゃあ借りる……」
伊織先生の診療所に着いたあと、診察を受ける前に体をきれいにする。
俺はあまり家にいることはない。いたって発情すれば必ず外に出て男とホテルに行くから……
家では絶対しない。すればフェロモンや匂いが残って発情してしまう可能性が高いから。
シャワーを浴びて伊織先生の診察を受ける。
「今日は何回発情した?」
「えっと……2回かな。1回目は涼ちゃん…幼馴染の知り合いから感じたフェロモンで発情して抑制剤を使った。2回目は抑制剤の副作用で調子が悪くなって通りかかった知らない男に襲われた感じだったかな……」
「抑制剤はどぉ?きつい?」
「効くけど副作用がキツイ。今日はすごく気持ち悪かった……」
「そっか……でも元々梓くんは薬が効きにくい体質だから副作用弱いのにすると全然効かないんだよね……いったん副作用が弱い方を使って見る?」
「うーん……それならいっそなしの方が……」
できれば薬なんか飲みたくない。ずっと体調悪いのは生活に支障をきたすから……
「とりあえず両方出しておくね」
伊織先生が処方箋を書いてくれた
「ねぇ先生、俺のこの体質のこと調べてくれた?」
「うん、調べたけど先生が知ってる病気の中にはなかったよ。でも同じような体質を持った人なら先生の友人にもいるよ」
「え、そうなの?」
「うん、だからもしかしたらその人が何か知ってるかもしれない……会ってみる?」
「ううん、いいや……先生が聞いておいて……」
「そう……わかった」
知らない人と会うのは苦手だ。それに会ってまた発情することになるのは御免だ。
俺はただ普通に暮らしたいだけ……なのに、どうしてこうなったんだ。
普通に暮らして、普通に好きな人ができて、普通に付き合って……ただそれだけなのに……
今のこの体が嫌いだ。それに流される自分も嫌い。
発情するたびにどんどん自分が自分でなくなっていく感覚。
家に帰り上半身裸で鏡に映る自分を見つめる。
いつ、どこで、誰がつけたのかわからない傷や跡……
それを見るたび吐き気がする。気持ち悪い、自分が気持ち悪い。
もういっそこのままの体なら死んだ方がマシなのかな……
でも怖くて死ねない。ただの臆病者。
どうしたらこんな生活に終わりが来るのだろう……
そんなことを考えながら、この一日を終えた。
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