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3 小さな変化、大きな変化 -1-
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俺より大きい背、俺よりがっしりした体。うーん……180くらい……?
俺を抱いた男の名前は清水純佑という人だった。
「何で清水さんは俺の名前を知ってるんですか?」
「は?」
「だって初対面だったのに俺の名前呼んでくれたでしょ?なんでかなって……」
『あずさ……』あの時の声はとても優しくて心地よくて、癒された。
もう一度、聞きたいなぁ……なんて……って違う!
今は何で俺の名前を知っていたかが先だろ!
「初対面ではあるが、俺はお前を知っていた。ただそれだけだ」
知っていた……?俺と会ったことあるってことか……?
あ、そういえば、飲み会……あの後どうなったかな……
そう思ってベッドから出ようとするけど。
「あれ……?体が……」
思うように動かない。別に痛みがあるわけではない。
だけど何かいつもと違う……
それに今まで抱かれた後とか罵声を浴びせられたのにそんな言葉一言も……
「清水さん」
「何だ?」
「何で俺に無理やり興奮させられたのに何も言ってこないの?『無理やりさせられたんだ!』とか……」
何かそれがないと何だか気持ち悪い自分がいる。
別にドMってことではないけれど……
「無理やりではない、確かにお前に誘われて抱いたのは事実。しかしそれは自分で決めたことだ、お前を責めるのは間違っている」
「…」
言っていることは間違ってない。でもなんか調子が狂う……
あ、そうだそうだ……飲み会のこと!
着いた後、涼ちゃんどっか行っちゃったし、隆にもちょっと迷惑かけちゃったし……
「ねぇ、伊織先生、俺の荷物取ってくれない?」
「荷物?…じゅんちゃん、梓くんの荷物は?」
「染谷に渡してある、染谷」
部屋の中から呼ぶと扉を叩く音がして、扉が開いた。
「お呼びですか?純佑様」
「こいつの荷物は?」
「こちらに。どうぞ……」
そう言うと俺に荷物を渡してくれた。
「ありがとうございます……えっと……」
「申し遅れました。私、純佑様の身の回りのお世話をしております、染谷空邪でございます」
「染谷さん……市川梓です……」
おぉ、なんか金持ち感半端ない感じがする。
あ、スーツ……昨日のスーツの男って、染谷さんだったんだ……
「中身は拝見しておりませんので、ご安心ください」
「はい……ありがとうございます……」
ん?昨日とスーツ変わってない。てか……昨日なのか?
ぐっすり寝ていて時間間隔がわからない。
携帯を見てみると日付は変わっておらず、今は飲み会の日の夜11時頃だった。
着信履歴には隆からの電話ばかり……
ラインにも『大丈夫か!あずさ!発情が終わってからでいいから連絡くれ』ときていた。
それを見て「心配かけてごめん、大丈夫」とだけ送って隆との連絡を終わらせた。
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