アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-2-
-
ふと涼ちゃんのことを思い出す。
そういえば、涼ちゃん……店に入る前からいなかったよな……
もしかして勝手に帰った?
むむ……これは写真をバラす刑執行ですか……?
そう思って涼ちゃんに電話する。
電話に出たのは涼ちゃんではなく。
『あ、すみません……佐々木涼一は……』
「あれ、坂口くん?」
高校が同じで涼ちゃんの知り合いだという坂口司だった。
「なんで君が涼ちゃんの携帯を……」
涼ちゃんが不用意に人に出て、なんて言わないと思う。肝心の本人は何を……?
『あ、実は……先パイ倒れちゃって……』
「え、どういうこと!?涼ちゃん大丈夫なの!?」
涼ちゃんが倒れた!?
最近食欲がないっていうのは大丈夫かなって気にしてはいたけど……
『あ、はい……少し熱がありますけど、それ以外は大丈夫だと……』
やっぱり無理して誘ったのがいけなかったかな……あとで謝らないと……
「そっか……知らせてくれてありがとう。最近涼ちゃん元気なくて……ろくに食事もとらず、寝ず状態で、心配だったの……坂口くん何か知らない?」
彼は黙ってしまった。
何かを知ってるけど言えないのか、何も知らないから言えないのか……その真意はわからない。
『…ごめんなさい、わかんないです……』
「そうだよね……ごめんね、今日は行けないけど明日学校休みだから行ってみるよ!」
『わかりました……よろしくお願いします……』
そう言うと通話が切れた。
自分のことばかりで涼ちゃんのこと何も考えてあげられたかった。
あの時、涼ちゃんに自分のこと話して少し楽になったように俺も力になりたい。
「ねぇ、清水さん」
「何だ?」
「俺、明日行きたいところがあるんだ!連れてって?」
今のこの体じゃ明日もこのままかもしれない、でも明日涼ちゃん家に行きたい!
「は?自分で行け」
「俺をこんな体にさせておいて?」
「脅しか?てか自分がそうしろって言ったんだ、俺は知らない」
俺の言うことを聞いてくれない清水さんにわざとらしい演技を見せる。
清水さんが優しい人だということは知ってるからこそ、やれること……
「はぁ、わかったよ……俺がこの体で頑張っていきますよ……おやすみ……」
泣いたふりをしてベッドに潜ると、掛け布団をめくられる。
「後になって面倒起こされるのはイヤだから、ちゃんと言っておく。明日朝、10時出発だ、遅刻したらおいていく……いいな?」
「やった!ありがと、清水さん!」
「初対面の奴をこき使うとか……お前、ある意味やるな……」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 764