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俺を産んでくれた母親が生きていたころよく雑炊を作ってくれた。
母親みたいには上手くはないけど、少しでも食べてほしくて、元気になってもらいたくて頑張って作ってみた。
涼ちゃんはそれを食べておいしいと言ってくれた。
誰かのために何かして喜んでもらったり感謝してもらうことってすごく嬉しい気持ちになる。
涼ちゃんがなんだか自分の子供みたいに思えて頭を撫でたら親みたいだと言われた。
俺……老けてるの?と思って聞いたら褒めているだけだと言ってきた。
褒められてる感じは一切ないけど……
涼ちゃんが体調を崩すことは珍しくはないけど、倒れるまでひどくなることはほとんどなかった。
目をつぶってあげたい気持ちはあるけど、痩せていく彼を見たら黙ってはいられなかった。
俺にも隠したい、知られたくないことはたくさんある。
自分の体質だって、過去のことだって……
でも涼ちゃんに少し話しただけで楽になったのは事実。
少しずつでも受け入れて聞いてもらうだけで心は少し軽くなる。
だから聞いてもらったように俺も彼の役に立ちたい。
その気持ちを言葉にして伝えると「簡潔に話せ」とか余計な一言を言ってきたが、話す気にはなったらしい。
そして涼ちゃんは俺に自分の過去と坂口くんとの関係を話してくれた。
高校1年のとき、景太さんを恋の意味で好きになったこと。
彼にそのことがバレて告白してフラれたこと。
フラれて家出をして倒れてこの家を貸してくれている人たちに出会ったこと、そして家を貸してくれたこと。
高校2年のとき坂口くんに告白されてそれをいいことに体の関係をもったこと。
でもその関係が途中で消滅したこと。
大学入って彼と再会して一度体の関係をもって好きだと自覚したこと。
だけど体で縛りつけてることが彼を傷つけてるんじゃないかと気づいて別れを告げたこと。
そして飲み会のとき町田先パイに会ってお酒を飲んでいるうちに具合が悪くなって坂口くんがこの家まで運んでくれたこと、全部……
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