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4 恋? -1-
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産んだ母親が死んでからはずっと孤独に感じていた。
再婚した母親には前に言ったように嫌われていたし、父親は仕事一筋。
愛してくれる人はいなかった。1人を除いて……
その1人は愛してはくれた。だけどその人の愛は異常と言っていいほどものだった。
義母が俺を嫌いになったのには訳があった。
母親に似ていたから?
いやそれもあったかもしれないけど違う。
本当の理由は義兄、つまり俺とは血のつながらない兄にあった。
彼は優秀だった。何もかも、俺には及ばないほど……
そのせいなのかもしれない。異常に俺を愛する、いや、執着したのは……
彼が俺に執着し始めたのは再婚して1か月ほどたち、
いつもと少し違った環境からだんだんと慣れ始めてきて、仲良くなった頃。
その日は俺が初めて女の子に告白されて戸惑っているときだった。
告白してきた子はクラスによくいる明るい性格の子。たまに俺も話すことはあったけど、そこに恋愛感情はなかった。
断るつもりでいたけれど、勇気を出して告白してくれた子に対して、どんなふうに答えたらいいのか悩んでいた。
そんなときその話を兄に話したら、突然押し倒された。
そして訳も分からずキスをされ、体中を兄の唇で溶かされる。
その頃は性に関しての知識が全くなく、彼が何でこんなことをするのかわからなかった。
行為後に兄はこう言い、俺にキスをした。
『あずさ、あずさは彼女なんか作らなくていい。お兄ちゃんがいっぱい愛してあげるから』
それからの兄は普通じゃなくなった。
学校に行くときも一緒、帰るときも一緒、寝るときも食べるときも一緒。
俺に何かあるとすぐに駆けつけ、誰かに触られるとすぐに手や体を洗わされる。
告白されたといえばその人を呼び出し、その人の前で俺とキスして追い払い、いじめられたと言えばそいつを裏で殴っていたという。
こんなことしなくていい、いつも兄にそう言うけど『全てはあずさのためだよ』と言われて終わるだけ……
俺は『間違っているんじゃないか』と思っていても、俺のためだとわかっていたから何も言えなかった。
こんな日々が何週間も続いていたある日、父も母も仕事や買い物で出かけて2人になった。
兄はいつにも増しご機嫌でベタベタと触ってきたり、何度もキスを繰り返してくる。
『男同士でキスするのは当たり前、兄弟でキスするのは普通だよ』
兄にそう言われてからずっとキスしている。クラスの友達に聞くと『そんなの気持ち悪い、おかしいよ』と言われてから普通じゃないことには気づく。でも彼とのキスは気持ちがよくてやめられない。
頭でいけないとわかっていても体がその刺激を求めて拒めない。
そのとき近くで何かが落ちた。
唇を離し音のした方へ振り向くと立っていたのは義母で、青白い顔をしていた。
俺と兄がキスしたのを見てしまったからだ。
何か言わなきゃ、言葉を選んでるうちに頬に痛みが走り、殴られたことに気づく。そして義母はこう言った。
『あんたがこうをそそのかしたんでしょ!?こうがこんなことするはずない……こうは賢い子よ……弟であるあなたとこんなことするはずないもの……そうよ、こうは悪くないんだから!』
この事件があって以来俺は義母から嫌われるようになった。
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