アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5 揺れ動く -1-
-
とあが常に送り迎えや傍にいるせいか他人に発情することが減っていった
そのおかげで最近は『普通の生活』というものを取り戻しつつある
それに良いこともたくさんあった
涼ちゃんが坂口くんと復縁したこと、景太さんに恋人ができたこと
涼ちゃんがいつかは復縁すると思ってたけど今とは思わなかった
だって最近までずっと落ち込んでいたし……
それに景太さんに恋人ができるなんて思ってもいなかった
いつも涼ちゃんのことばかり考える親バカなところがあったし
でもみんな幸せそう……良かった
俺は『運命の人に会った』とか嘘ついちゃったけど、まぁいいか
どうせみんな信じてないだろうし
でも気になる人は見つけたかな……
とあには申し訳ないけどたぶん俺清水さんのこと気になってる
『好き』って気持ちはわからないけど、あの声は好きだって思うから
「先パーイ!お昼一緒に食べましょ!」
「何で昼まで一緒に食べなきゃいけないんだ。俺はあずさと食べる」
復縁したからといって涼ちゃんの坂口くんに対する態度や俺と過ごす時間は何一つ変わらない。
たぶん彼なりに俺に気を使ってくれてるんだと思う。涼ちゃんのそういうところ、俺は昔から好きだ。
だけど恋人になってから坂口くんの方は心が狭くなったようで……
「俺は先パイと2人で食べたいんです!市川先パイ、空気読んで俺に席を譲ってください!」
なんてことを言いやがる
まあ別に俺としては譲ってもいいんだけど、涼ちゃんの顔を見ると目で『譲らなくていい、そのまま座っていろ』と訴えてくるから何も聞かなかったことにして話をスルーする
「ちょっと聞いてますか!?」
「あー、聞いてる聞いてる……」
「それ、絶対聞いていないときに言う人のセリフですよ……」
そう言うと彼はため息をつき『仕方ない』と椅子をもう一つ持ってきて強引に俺と涼ちゃんの間に入ってきた
「これでいいですよね?」
「…」
なんて器の小さい男なんだ……と思いつつ涼ちゃんを見てみると呆れながら『ごめん』という顔をした
別に涼ちゃんの隣だろうがそうじゃなかろうが、彼と一緒にご飯を食べることには変わらないから良いのだが……何でこんな男を好きになったのかよくわからないのであった
授業が終わり大学を出るといつものようにとあが待っていた
「お疲れ様」
「いつもありがとな、とあも疲れてるっていうのに」
「俺がしたいからしてるって言ってるだろ?ねぇ、あずさ」
「ん?」
「今から時間ある?俺とデートしない?」
「えっ、デート?」
そう言うと俺に有無も言わさず帰る方向とは反対側へ車を走り出した
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 764