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今は伊織先生と2人で話しているから言っても大丈夫だよな……
「うん、確かに清水さんに会ったとき倒れるくらい強烈なフェロモンを浴びた。たぶんそれが清水さんのだと思う。さっきも周りが凍り付くようなフェロモンが出てたみたいだし……」
「そっか……今は発情してる?」
「さっきよりは収まっているけど少し……」
効き目の弱い媚薬が体に回っている感じ。敏感な部分に触れると危ないけどそれ以外なら触られても平気
「それよりさ、何か不安なことでもあった?最近まで頻繁に発情しなかったんでしょ?」
「週の半分以下に減って、発情も軽かったから薬やとあのおかげで何とかなっていたんだけど……」
「とあ?それは誰?」
「こ、恋人……」
「ええ!?梓くん、恋人できたの!?」
「う、うん……」
初めてとあとのことを人に言った
「良かったね!わかってくれる人ができて……ってなんかそんなに嬉しくなさそうだね」
「…」
普通なら恋人を自慢できたり、好きな人と付き合えたんだから、念願だったからとか、嬉しいって思う気持ちが強くなるんだろうけど、今の俺は少し苦しい。
このまま自分の気持ちを抑えながらとあと付き合うのは、相手に対して失礼な気がして仕方ない
もし自分に好きな人や気になっている人がいなくて『付き合おう』と言われたら好きになる努力をすれば何とかなるかもしれない。
だけど今の場合は好きかもしれない人がいるのに、その人しか見えていないのに付き合っているわけで。
こんな気持ち初めてだからどうしていいのかわからない。
このまま付き合うのが正解なのか、間違いなのかわからないからずっと苦しいままで、罪悪感を抱えてしまっているわけで。
正直に言えば良かったのだろうか。
でもあのとき『恋人になれない』と言ってキスを受け入れていなかったら、今頃俺の隣にはとあはいなくて……寂しさを紛らわすためにいろんな人に抱かれていたに違いない。
前と同じ……いや、もっとひどかったかも。
大切な人が目の前からいなくなることは苦しいし、寂しい。
だから俺はとあを受け入れた。自分が苦しい思いをしないように。
たとえそこに恋愛感情がなかったとしても……自分のことしか考えない臆病者
俺は先生に話した。清水さんが気になっていることは伏せて。
話しても自己満足にしかならないかもしれない。この熱や発情の原因がこのことだと思うから、それから逃れるために話したのかも。
「すみません、こんなこと話しても自分で解決しなきゃいけないのに……」
「自分を責めなくていい。そこまですべて自分で背負う必要はないよ。今は話さなくてもいいかもしれない。でも、いつか話さなきゃいけなくなる時が来ることは忘れないで」
「そうですよね……はい、ありがとうございます」
「薬、一応出しておくね。あまりひどいようだったらまた来て。それと誰にも話せないようならたまにはここで発散しにきてね。カウンセリングしてあげるから」
「はい……」
先生との話が終わり診察室から出る
すると清水さんが目の前に立っていた
「お前、付き合っている人がいるのか?」
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