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翌朝起きたら自分の家にいた
何かいい匂いがしたからリビングに行くと翔空がいて
「おはよう。大丈夫?調子はどお?」
いつも通りの顔をしていた
昨日清水さんの家で起こったことは夢だったかのようにいつもと変わらない日常
そういえば俺、清水さんの家で寝たよな?もしかして送ってくれたとか?
「大丈夫……ねぇとあ、俺ってどうやって帰ってきたの?」
「どうって……清水って人が『こいつ、体調崩してしばらく俺の家で看病していたけど、明日授業があるって聞いたから家まで連れてきた』って言った後、梓を置いて帰ったよ?その人、梓の知り合い?」
「まぁ……」
知り合いっていうか、好きな人……なんて絶対言えない
「あずさ、ごめんね……熱が出て体調悪そうにしていたのに放っておいて」
「とあのせいじゃないよ。俺が勝手に家を出ちゃったから……心配かけてごめんね」
とあの体温に包まれる
あの人とは違う匂い、感覚。イヤではないけどどうしても比べてしまう
サイテーだな、俺……
「好きだよ、あずさ」
「うん……」
だんだんと近づく彼の顔。甘い雰囲気、キスされる
『あずさ……』
「イヤっ!」
「…えっ……」
昨日のことを思いだした瞬間、俺はとあを突き放し拒んでしまった
「ご、ごめん……」
「ううん、大丈夫。俺の方こそごめんね。まだ体調が悪かったから俺に移さないようにしてくれたんだよね?」
「う、うん……」
本当はそうじゃない。とあのことなんて考えてない。自分のことしか考えなかった
あの感覚を上書きされたくなくて、忘れたくなくて突き放したんだ
本当にサイテー……とあの恋人である資格なんてないよ……
「ごめん、まだ調子悪いから寝るね……」
「うん、わかった。朝ご飯作っちゃったから食べれそうならお昼食べて。無理なら残していいから。じゃあ俺は授業あるから行くね」
「うん……いってらっしゃい」
とあが出た後、携帯が鳴った
「もしもし……」
『調子はどうだ?』
電話の相手は涼ちゃんだった
「うーん、まぁまぁかな。でも万全じゃないから休むね」
『今日、お前の家に行っていいか?話ぐらいはできるだろ?今日ならつかさいないし。いいか?』
「うん、いいよ。」
そう言って電話を切った後、涼ちゃんは数時間後に俺の家に来た
「今日授業あるのにここにきてよかったの?」
「休校になった。先生の体調不良で。」
「珍しいね……まぁいいか。どうぞ、入って」
「お邪魔します」
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