アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-3-
-
「話はなんだ?」
入ってきてすぐ本題に入る涼ちゃん。
そんなにここにいるのがイヤなのか、それとも溺愛彼氏に『早く帰ってきて』と言われているのか、その真意はわからないけど……
「唐突すぎない?少しはゆっくり話そうよ……」
「話したいが最近のあいつは機嫌が悪い。お前のところに会いに行くって言ったときあいつ、なんて言ったかわかるか?」
「知りたくないね。どうせ『俺より市川先パイの方が大事なんですか!』なんて言ったんじゃないの」
イヤって言うほど涼ちゃんにべったりだから何となく予想がつく
「それも言った。でもそれ以上で『それなら俺以外見ないように調教してあげましょうか?』って言いやがった。だんだんあいつは病み始めている気がする」
「…」
イヤ、俺的には涼ちゃんと付き合う前からそんな気はしていたけど……
「それに前より幼くなった気がする」
「幼い?精神的にってこと?」
「ああ、異常に甘えてくる。異常にベタベタする。最近のあいつはうっとおしい。この前なんか……」
彼は次々と恋人とのエピソードを話していく
その話はどう聞いても惚気話のような気がするのだが……と言う話ばかり
でも話している本人は気づいていないみたいだ
「この前なんか……」
「涼ちゃん、その話いつまで続く?惚気話はいい加減飽きた」
「この話のどこに惚気が入っているんだ!あいつのためを思ってやったことなのに何で怒られなきゃいけないんだ!俺は怒っているんだよ!」
俺の話を聞きに来たはずなのに自分の惚気や愚痴を喋る涼ちゃん。
それは幸せな証拠でイイことなのに。それに比べて俺は……
「あずさ?」
「…あ、ごめん……勝手に考え込んで」
「いや、俺の愚痴はもういいか……じゃあそろそろ本題に入ろう」
「ごめんね」
「何を謝る?俺が聞くと言ったのに自分の話をしたから、話しづらくなったんだろ?お前は悪くない。」
「うん……えっと、何から話せばいいかな」
「順番なんてグチャグチャでいいから、想っていること、話したいこと全部吐け」
「…何か吐けって言われると警察の人みたい(笑)」
「それはドラマの見過ぎだ。いいから話せよ」
「はーい……」
俺は全て涼ちゃんに話した
翔空との関係、彼と付き合い始めたこと
その経緯が『恋人』か『絶交』かの選択に迫られ答えが出なくて流されてしまったこと
清水さんを好きになったこと
その気持ちを翔空に伝えられないこと
過ちを犯し清水さんとキスをしたこと……
たぶん涼ちゃんはこんな俺のこと軽蔑するだろう
好きな人とキスすることは悪いとは言わないけど、でも今の俺は恋人がいる身
たとえ好きな人だがらといっても世間的には浮気に値してもおかしくない
でもあのとき清水さんが来なかったら他の人とヤッていた
気持ちがあってもなくてもどうせ俺は翔空を裏切っていたんだ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 764