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「俺、サイテーだよね……好きでもないのに付き合ったりして気を持たせた挙句裏切るなんて……」
「そうだな、最低だな」
「ちょっ、涼ちゃん……いくら俺がサイテーだからってストレートに『最低だ』なんて言わないでよ……そう思っても『そんなことないよ』とか励ましの言葉はくれないわけ!?」
「どう考えても最低なことをしているようにしか思えない。励ましの言葉を言ったところで何も変わらないだろ。逆にその言葉がお前をさらに傷つけると思うが?」
「そうだけど……」
「お前は自分で反省しているんじゃないのか?十何年一緒にいるが、お前がこういう時に反省や後悔しない人ではないことは知っている。お前の性格上、そのことで責めてもさらに傷を深くして立ち直れなくなる可能性があるから、変な嘘はつかないし何も言わない」
「…」
涼ちゃんには何でもお見通し。本当にすごい幼馴染だ……
「それでどうするんだ?このまま恋人に期待させたまま裏切り行為を続けるのか?」
「できればそんなことしたくない……でも、恋人やめたら翔空は俺の前からいなくなるかもしれないんだよ?」
「別にそれでいいんじゃないか?」
「えっ……」
彼の言葉に唖然とする
「そ、そんなことしたら大切な友達が付き合わなかったことでいなくなるんだよ!?涼ちゃんはそれでもいいの!?」
「もし俺がお前の立場だったら恋人をやめる。だって好きでもないのに付き合う方が相手に失礼だろ?」
「そうだけど……」
「自分の前からいなくなるわけで、絶交になるだけでその人が死ぬわけではない。いったん距離を置いて改めて考えてみる。
もしそいつとまた友人として戻りたいと本気で願うなら、きっといつか何日、何か月、何年、何十年後に絶対会えるはず。そしたらもう一度初めからやり直せばいい。時間はかかるかもしれないけど、お前の気持ちに答えてくれるはずだ」
「涼ちゃん……」
「最初は苦しくて泣きそうに、泣いてしまうかもしれない。だけど時間が解決してくれる。大丈夫。お前は一人じゃない」
彼の言葉に泣きそうになる。目が熱い、目の前が涙で歪んで見える
「涼ちゃん、ギュってしていい……?」
「お前は……たく……今だけだぞ?」
「涼ちゃーん!!(泣)」
俺は思いっきり彼を抱きしめ涙を流す
「本当に世話の焼ける男だな……」なんて言いながらも俺を抱きしめ返しトントンとリズムよく赤ちゃんをあやすようにたたく
前にもこんなことあったなぁ……なんて思いながら今まで溜めてきた涙をこぼした
俺が泣き終わり少ししたら涼ちゃんは帰っていった
帰り際に『ちゃんと言えよ。後悔する前に』と言っていた
この決断は俺のためでもあって翔空のためでもある
前に進むためにもちゃんと言わなきゃ……
「ただいまー」
「おかえり」
俺は清水さんが好きなんだって……
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