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13 包まれる -1-
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ご飯を済ませて清水さんの家を探索してみたけど、父親と清水さんに関するものは何も置いてなかった。
まぁ、そうだよな……ここは仕事場でもあるって言ってたから、プライベートの物なんか置かないよなぁ。
「はぁ……」
部屋中に響くような大きなため息をつき、清水さんと昨日寝たベッドに寝転ぶ。
「いい匂い……」
シーツを取り換えられて清水さん本人の匂いはしないけど、清水さんからほんのり香っていた柔軟剤の匂いがシーツやベッドから匂う。
だけど。
「物足りない……」
本人が傍にいないから、温もりを感じないから。
寂しい。最近ずっと誰かの傍にいたから孤独を感じる。
あの店にいた店員と客が羨ましい。
清水さんとあんな風にイチャイチャしたい。
恥ずかしくても、周りに何を言われてもいいくらい清水さんに夢中になりたい。
キスしたい。ギュッてしたい。抱かれたい。
……って俺、変かな?
でもそれくらい好きになっちゃったもん……
傍に居すぎて、意識しすぎて、おかしくなってるのかもしれない。それでもいい。
俺は清水さんが好き。
『あずさ…』
思い出したら会いたくなってきた……
「早く帰ってこないかな……」
時計を見ても針が急に速くなることなんてない。だけど待ちきれなくて少し期待する自分もいて。
待ちきれなくなった俺はベッドから起き上がり、清水さんの匂いがするもの全てをベッドに持ってくることにした。
数時間後
清水さんの匂いがするあらゆるものを集めた俺は、ベッドやその周りに全て置き、全ての匂いを犬のように嗅いだ。
「はぁ……いい匂い……」
ヘンタイ行為だってことはわかっている。あとから叱られることも。
でも今の俺は清水さん不足で。
今までに匂いを嗅ぐなんて行為はしたことあるが、収集するなんてヘンタイ行為はしたことがなかったし、正直こんなに匂いに執着するなんてなかった。
でもやめられなくて。
何度も何度も匂いを嗅ぐ。それでも物足りない。
なので。
「き、着ちゃった……」
清水さんがいつも家にいるときに着ている部屋着を服の上から着る。
脱いできても良かったんだけど、寒いし、清水さんの服のサイズは俺より大きかったから、いいかなって。
クンクン……
着ている服から清水さんの香り。癒される匂い。
あったかい。まるで清水さんに抱きしめられてるような感覚に陥る。
落ち着いてきたからなのか、だんだん眠気が……
そう思い、ベッドに横たわる。
清水さんが帰ってくる前に片付けないといけないのに……
でも俺はそのまま動くことはなくて、そのまま眠りに落ちてしまった。
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