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「染谷さーん!」
音がするリビングの方へ行くと、染谷さんが料理をしていた。
「…おはようございます、市川様。朝食は……」
「ねぇ、この指輪見たことある?」
「…いえ、ありません。お高いと思いますが」
「じゃあこの指輪いくらすると思う?」
「そうですね……私の憶測ですが、車1台買えるのでは?この指輪は見たことありませんが、このブランドは有名ですから」
「く、車!?」
車買えるとか100万以上するかもしれないってことだよね!?
「か、返さなきゃ……こんなの受け取れない……」
「市川様」
急に呼ばれて振り向く。
「は、はい……」
「おめでとうございます。良かったですね、想いが通じて」
「え?……あ。」
そういえば俺が純佑さんのこと好きだってこと、染谷さんにバレてたんだっけ。
「は、はい……///ありがとうございます」
純佑さんと付き合うってことは染谷さんとも会う機会は多いんだよなぁ?
このまま『染谷さん』って言うのもなんか他人行儀でイヤだな……と思ったんだけど。
純佑さんのとき、ずっと『清水さん』って呼んでてちょっと他人行儀だった気がする……
「あ、あの……」
「何でしょうか?」
でも純佑さんの大切な人の1人に染谷さんも入ってるわけだから……
「な、名前で呼んでもいいでしょうか……」
「名前、ですか?」
少しでも近づきたい。恋とは違うけど。
「空邪さん……って呼んでもいいですか……?」
「…お好きなようにお呼びください」
「じゃあ空邪さん、くうがさんって呼びます!」
「かしこまりました」
「じゃあ俺も『市川様』ではなくて『あずさ』って呼んで!」
『市川様』とか苗字で呼ばれるのはイヤだし、それに『様』って呼ばれる身分でもないし。
「よろしいのですか?」
「いい「ダメだ、許さん」」
俺が『いいよ』と言った瞬間、後ろの方から純佑さんの声がした。
「あずさと呼んでいいのは俺だけ」
「はぁ?」
何言ってるの、純佑さん?
「『あずさ』って呼んでいる人なんてたくさんいるし。呼び方くらいで……うわぁ!」
急に腕を引っ張られたと思ったらお姫様抱っこされる。
「何するのさ!早く降ろせ!」
「もう一度抱かれないと俺のものだって自覚しないのか?」
「自覚とかそういう話じゃない!もし結婚するとなったらいずれは俺も『清水』になるんだから……って結婚できるかぁ!同性なのに!」
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