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After Story 1 あいつの変化 -1-
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〈涼一side 〉
あずさが大学に来なくなった。体調が悪いとかどうとかで。
たぶんあいつの変な病気?のせいだろう。
一人で大学にいるのは辛い。話をしたことあるやつらはいても、名前なんか覚えてない。
そうは言っても正確には一人ではない。
ご飯はどうせつかさが来るし、最近はつかさがいない昼ごはんのときは景太が気を使って奥森がいるにも関わらず、呼んでくれるし。
だけど。
うるさいあいつがいないのは、ちょっと寂しいっていうか……なんていうか……
そう思っていたんだけど。
あずさが休んでから約一週間。本人から連絡がきて「明日から大学行くね!」と言っていた。
また無駄に明るく「おはよう!」って言ってくるに違いない。
明日からまたいつもの日常が戻ってくる。そう思ったらちょっとだけ、ワクワクしている自分がいたんだ。
大学の時間になり、いつものようにつかさと一緒に向かう。
するといつも通り、席を取ってくれてるあずさの姿が。
「おはよう!涼ちゃん!」
「おは……うわぁ!?」
席についた瞬間、いきなり抱きついてきた。
いつもこんなことしないのに……
ふと思う。
……ん?何かいつもと違う。あずさからする匂いが。柑橘系のような匂い。少しだけ感じる。
てかこいつ、香水なんかつけてたっけ?
「お前、香水なんかつけてた?」
「前まではつけてないけど……」
それに胸元らへんに何かが当たる。丸くてリングのような形のものが。
あずさがアクセサリーをつけることはあっても、こんな高そうなリングを身につけるなんて。
そういえばこのリング、どこかで見たことある。
あ、そうだ。一度つかさとデートしたときにたまたま近くに高級そうなアクセサリーショップがあって、そこにこの指輪があった気がする。
そのときつかさが言ったんだ。
『100万くらいするものが余裕で買える男にいつかなりたいですね。買えるようになったら結婚でもしてくれます?』って。
だからあずさがつけているネックレスについているリングは100万以上する高級なもの。
それをどうしてあずさは持っているのか……
「そのネックレスのリング、どうしたんだ?」
「あ、あぁ……もらったの」
あずさはリングを見ながら優しく微笑んだ。
もらっただと……?あずさにそんな貢いでくれるようなやつ、いたっけ?
…俺の知る限りはいない。
だとしたら……?
優しく微笑む姿、つけていなかった香水。
ふと思った。もしかしたら特別な人でもできた?
「お前、好きな人でもできたか?」
「・・・え?」
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