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「ば、バカじゃないの!?な、何でそんな恥ずかしいこと、サラっと言うんだよ!///」
純祐さんの予想外の言葉に困惑し、照れる俺。でもその言葉にうなずいている人が1名。
「それはわかります。好きな人の笑顔見てムラッとするように、俺の下で泣きながらも必死に抱きついてくる姿をみたら興奮しますよねぇ!」
なぜか坂口くんがテンション上がって、純祐さんに共感している。
涼ちゃんを狙ってるかもとか疑ってたくせに。
「あずさの照れてる顔は可愛い。恥ずかしがってるのもそうだが、誘われてる気がして期待してしまう」
「さ、誘って……ない……///」
「誘ってないって言う顔が誘ってるように見える。俺の理性を揺さぶってるのか?」
「そ、そんなつもり…ない……///」
真剣な顔で、俺の好きな香りで、フェロモンで、俺を惑わせないで。
見られてることを忘れそうになる。また2人だけの空間に入りそうになる。
「嘘つき」
だんだんと純祐さんの顔が近づく。さっきまでは少しだけ感じていたフェロモンもいつの間にか俺の周りに充満して。
あ、もうすぐで……ふ……れ……
「純祐様、梓様。お二人の時間ではありません。自制心をお持ちください」
空邪さんの声で一気に我に変える。
あ、今……俺……
だんだんと顔から火が出そうなほど熱くなって。
「じゅ、純祐さんのバカ!」
バカバカ!っとバシバシ純祐さんを叩く。
涼ちゃんの前でこんな醜態さらしたくなかった。恥ずかしい……死にたい。
「お前のこういうところも好きだ」
純祐さんの胸で顔を隠す。
「プハハッ……」
急に笑い声が聞こえた。声のした方に顔を向けると、笑っていたのは涼ちゃんで。
「な、なに……」
「…いや、お前のそうやって甘える姿とか見てたら笑えてきて……ハハッ……」
「りょ、涼ちゃん酷い……俺だって甘える時だって……」
「うん。確かに甘えるときあるけど、あんな可愛くならないだろ」
可愛く!?俺のこと、可愛いとか思ってくれる時あるんだ……涼ちゃんでも。
「そ、そりゃあ……幼馴染だし、恋人でもない、恋として好きでもないのに、あんな風に甘えるのはおかしいでしょ……」
「まぁ、そうなんだけど。…初めからこんなところに来て、清水さんと話さなくても良かったんだよ。ただちょっとだけ心配だったんだ。あずさが騙されてるんじゃないかって。
でもお前と清水さんのやりとりを見てそんな心配はいらなかった。お前は清水さんに愛されてる。
それがわかればもう十分だ。つかさ、帰るぞ」
「え…はい……」
ふと思う。
涼ちゃん……俺、涼ちゃんが幼馴染で良かった。
「りょ、涼ちゃん待って!」
「ん?」
俺は涼ちゃんに近づき、抱きしめる。
「お、おい……」
「ありがと……///」
恋人の『好き』とは違う大切な幼馴染に送る『好き』。
でも愛情も友情も、俺にとってはどちらも大切で、どちらか選べと言われても選べない。
それくらい大きな存在。
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