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「はい、召し上がれ」
目の前に出されたカレーに目を輝かせる彼は、相変わらずかわいらしい顔をしている。
「…いただきます」
ちょっと攻撃的な子だけど、まあすぐに打ち解けられるでしょ。
パクッと一口カレーを食べてから感想はなにも言ってくれないけど、その食いっぷりでなんとなく察しがついた。
「おかわりいる?」
あっという間に食べ終わってしまったので聞いてみると、まだ口の中はパンパンなのに勢い良く頷くのでまたカレーをよそい、彼の前に置いた。
「食べながらでいいから聞いてね。僕は楠木優。25歳。研究とかしてるよ。君は?」
彼はごくんっと口の中にあるものを飲み込んだ。
「黒瀬 紫乃(くろせ しの)、19。大学生……まぁ、こんなふうになっちゃってるんだけど」
「ふーん、紫乃くんか。体ちっちゃいから中学生ぐらいかと思ってたよ」
「馬鹿にしてんじゃねぇよ!……もうそういうの言われ慣れたけど……」
紫乃はシュンとしてそう言ったあと、またカレーを食べ初めて2人前を完食した。
水を飲んでおちついた彼に、少し踏み込んだ話をしてみる。
「あのさ、なんでそんなに人に対して恐怖心があるのかな。さっきも言ったけど過去の話、聞きたいな」
水が少しだけ残ったグラスを両手で持った紫乃は、うつむいたまま話し始める。
「……あんまり気乗りはしないし、俺は逃げる気満々だけど、話して損することもないから話す。笑うなよ!絶対に笑うなよ!」
「う、うん。わかった」
……すでに笑いそうだ…
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