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αの男(1)
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ダンッダンッ
キュッ
「パスパス!」
「ナイッシュー!」
「ドンマイ次いこ!」
放課後、部活の練習中
ボールが跳ねる音と、体育館の床にシューズが擦れる音
床にボールをつく度に足元から振動が伝わる
「陸、たのむ!」
陸「おう!」
パシッとボールを受け取ると、全身で立ちはだかる相手役の部員を1人、2人と抜いていく
この、抜き去る瞬間が、最高なんだ
「陸ー!いったれ!」
陸「まぁまかせとけって...」
仲間の声援を背中に浴びながら、キュ、キュ、と踏み切り、空中でボールをぐっと押し出した
...
ポスッ
陸「っしゃー!」
「陸ぅ〜〜でかした!」
ワシャワシャと髪の毛を掻き乱してくるのは、本堂樹
小学校からの幼馴染みであり、親友だ
樹「さーすが、抜く時は抜いて決める時は決める。βの中のβだなお前は」
陸「んだよそれ、バカにしてんのか」
純平「おい陸!今のシュート良かったぜ!」
俺と樹の間に割り込んで肩を叩くのは谷口純平だ
同じクラスのチームメイト
純平「次も決めような!」
陸「おー、当たり前だ!」
再び、ボールが回り始める
相手の選手を繋ぐようにパスが回され、徐々に熱気がコートを覆う
そんな時
ふと
『一本!!』
一瞬、時が止まったような
1人の男に目を奪われた
ネット越し、隣のコートで
一人の男を軽々と投げ飛ばした大男
真っ白な柔道着
あの男...
樹「陸!危ない!!」
陸「え?」
我に返って声の方を振り向くと、フッと何かで視界が遮られる
ドゴッ
「「陸!!」」
ジクジクと鈍い痛みが徐々に感覚として湧き上がる
ボールが顔面に当たったのだと理解するのに数秒かかった
陸「ってぇぇ.........」
純平「うわっ鼻血っ出てる!」
陸「まじかよ...クソ痛...」
鼻を押さえている手に赤い血が伝うのがわかる
樹「鈍臭いな陸、鼻血止まるまで外で休んでな」
陸「悪い...」
マネージャーに箱ティッシュを渡され、1人俯きがちに外へ出た
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