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αの男(6)
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陸「なあ」
樹「ん?」
陸「俺って、臭うか?」
樹「はあ?」
封の切れないままの泡立ったコーラを伏せ目がちに視界に入れながら呟く俺を、樹は怪訝そうに見た
樹「何だよ、臭いなんか気にしてんのか?」
純平「陸のくせに〜」
陸「くせにって何だよ」
お徳用、ペットボトル入のいちごミルクをガブガブと飲み干す純平
樹は探るような目でしばらく俺を見つめ、小さく息を吐いてから口を開いた
樹「別に、臭わねえけど」
樹は長い脚を組み直しながらペットボトルに口をつける
純平「陸も繊細なとこあるな〜女の子に何か言われたんか?」
陸「そんなんじゃねえよ」
からかい混じりに言う純平を軽く睨みつけ、臭いに気付かれていない事に心底安堵した
フェロモンには常時注意している
虎岩の言った『におい』が何のにおいだったのかは断定し兼ねるが
まだ、きっと大丈夫だ
もしも、虎岩にバレたからと言って、樹や純平との関係が壊れるにはまだ足りない
少しぬるくなったコーラのキャップに手をかける
カチッと軽い音と共に、プシュッと空気の漏れる音
少し溢れた泡をペロリと舐めとり、コーラを喉に流し込んだ
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