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赤との邂逅 2
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始業式と今週の予定を聞いて、学校が終わる。僕は挨拶が終わると共に、鞄を持ってすぐに教室を出た。
かなり足早に歩いたというのに、玄関で靴を履き替える僕の傍に、赤築 リツが寄って来た。
「ルカ、待ってよ。一緒に帰ろう?」
「なんで?僕は早く帰りたいんだけど」
「え〜?なんか用事があるの?俺、もっとルカと話したいし、ルカのこと知りたい」
「……」
別に用事がある訳ではなかったから、返事に困って、無言で歩き出した。僕がかなり素っ気ない態度を取ってるというのに、リツは気にする様子も無く、僕の隣を歩く。
「なぁルカ、俺らの担任の青砥(あおと) ロウって、青蓮家の眷属だよな?ルカは先生を知ってる?」
僕の顔を覗き込むように聞いてくるリツには目もくれず、僕は前を向いたまま、淡々と答える。
「ロウは僕の部下だ。僕を守るために教師になって、この学校に来た」
「えっ!マジでっ?すごい忠誠心だなっ。きっとルカがすごく大切なんだね」
「知らない…」
ロウはただの変わり者だ。僕の傍にいる限り、自分まで嫌われてしまうと言うのに…。
いつの間にか俯いていた僕の頭に、リツがそっと手を置いた。僕は、驚いてリツを見る。が、すぐにその手を払い、「僕に触れるな」と呟いた。
僕の態度に、そろそろ怒ってもいいと思うのだけど、リツは眉尻を下げて僕に謝ってきた。
「ごめん…。なんかルカがさ、寂しそうに見えて。俺、やっぱりルカのこと、もっと知りたい!どんなにルカが俺に冷たくしても、諦めないからなっ!」
満面の笑みで宣言するリツを、僕は怒るのも忘れてポカンと見つめる。
ーーしつこくしないって言ってたじゃないか…。こいつ、もしかして…バカなのかな…。
僕は、何を言ってもこいつには通じないんだ、と諦めて、小さく首を振ると、ひたすら無言のまま駅まで歩き続けた。
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