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第三話 悠希の平凡な日常2
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ゼミが終わり、俺は月城のもとへ向かった。
月城は先週一週間、ヒートにより学校を休んでいた。月城がΩであることは周知の事実であり、本人は自衛のためのチョーカーを身に着けている。そのチョーカーを付けることでαから無理やり番にされることはない。しかし自らΩと名乗っているようなものでもあった。
「月城。先週分のプリント、見る?」
「…ありがと。」
月城は口数が少なく、あまり人と関わらないが、話せば答えてくれるし、真面目な良い子だ。
「なぁなぁ、今日飲みに行かね?」
「今日は無理。バイトがある。」
ほんと、真島は飲みに行くのが好きだな。
「あーあ。ま、バイトなら仕方ないよな。」
真島は俺のプリントを写している月城に目線を移した。
「じゃ、今日は月城と二人で飲みに行くか。」
「はぁ?!」
プリントを取り終わった月城がが驚いて顔を上げた。真島は笑って見返す。
「おい、無理して飲ますなよ。」
「大丈夫。俺ソフトドリンク多い店も知ってるから。」
「おい、誰も一緒に飲みに行くとは言ってな、」
「よし!じゃあまた連絡するからー」
そういうと、真島は駆けて教室を後にした。月城は大きくため息をついては、立ち上がり、プリントを俺に返した。
「ありがとう…」
「いいよ、これくらい。俺も月城とはまた今度飲みに行きたい。」
そういうと月城は頷きはしないものの、否定はせずに「フンッ」と外を向いた。
俺たちそれぞれはそのまま次の授業の教室に向かった。
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