アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
爽紀sid
-
僕たちは部屋の中に入り、和希はソファーに座った。
「あれ~爽紀?」
「は、はい。なんですか?」
「いや、なんでもないけど。急に消えたから。」
「すいません。いや、喉乾いていないかなっと思いまして…でも冷蔵庫に何も入ってなかったので、お水ですが持ってきました…」
「お~ありがと~お前めっちゃ気が利くな。」
「とんでもないです。それに僕にお礼なんて…」
「お前ww本当に暗いなww」
「すみません。」
「いや、謝られても…」
「すみません。」
「あ~もう、よし!爽紀、俺にすみません禁止な。もし、すいません使ったら、罰与えるからな!」
「え…」
「返事は?」
「は、はい。分かりました。」
「よし!」
返事してしまった…ほんと僕って押しに弱いな…
「あ、あのところで何で奏輝先輩に憧れてるんですか?」
「あ、さっきの続きか、俺な奏輝先輩同じ中学やったんや。俺が入学したとき、一つ上の先輩で顔が良くて、頭もよくて、性格も良くて、運動もできて、何をしても絵になるような人がいると聞いて、初めは興味本位でその先輩のこと知りたいって思ったんだ。」
「凄いですね。」
「やろ!んで初めて先輩に会ったのは入学した次の日。先輩の周りに女子の親衛隊がいて、そいつらに押されて転んで、手を踏まれて、思わず、イッテって声が出て、それに気づいた先輩が俺の所に駆け寄ってきてくれて、「大丈夫かい?俺のせいでごめん」って頭下げてくれて、今度は親衛隊に向かって「俺は今、後輩を傷つけた、そんな俺に親衛隊などがいるのはおかしい。だから今日を持って親衛隊は解散してもらいたい。いいね?」って親衛隊はみんな納得。んで、俺はその時この人のようになりたいって思ってそこからは少しでも先輩に近づけるように先輩の真似をしてる。」
「へ~奏輝先輩って名前通りって感じですね。カッコいいです。」
「やろ!!俺がここに入学した理由も先輩がおったから。今日の部活動紹介のときの演技も最高だった。たった10分の芝居に心奪われて、もっと見たい!脇役でいいから先輩方と演じてみたいって思った。だから、さっそく明日入部届出しに行く!」
「確かにたった10分であそこまで面白い劇を見たのは久しぶりです。」
「お!お前舞台好きなん?」
「はい…」
「なんでなん?」
「両親が舞台関係の仕事なので…」
「え、お前もしかして…舞台作家・乙姫晃と元宝塚の舞台女優・乙姫千夏の息子か?」
「えっと…はい…」
「マジか!!俺、先輩が演劇部に入ってるって聞いて演劇の勉強するために乙姫さんの舞台何回も見たんだよ!!」
「ありがとうございます。」
「乙姫って珍しいから聞いたときもしかして…って思ってたんやけど、晃さんや千夏さんとは性格が違うように感じたから。」
「すいません。僕なんかが息子で…」
「いや、性格が違うように見えるのは、お前が暗すぎるだけか。ってか今すいませんって言ったよな。」
「あ、はい…言いました。」
「はい。罰ね~じゃあ、前髪あげて顔見せてよ。」
「み、醜い僕の顔を見せるなんて…」
「前髪ある方が醜いわ!!ってか部屋に居る時は前髪あげとくこと!明日、ピンかゴム買っとくから。とりあえず今は顔見せて。」
「マジか…あ、いえ、いや、あ、は、はい…わ、分かりました。」
「え、今お前マジかって言ったよな。」
「い、いえ、すみません。と、とりあえず、か、顔をお見せすればいいのですね…い、いきます…はい。」
「………」
「あ、あの何か言ってください。気持ち悪かったら、気持ち悪いって言ってください。何も言われない方が傷つきます。」
「カワイイ…」
「え?」
「お前、めっちゃ可愛い顔してるな。前髪で隠すのもったいないって!!」
「そんなお世辞いらない。えっと、いらないです。」
「いやお世辞じゃないって、前髪切ろうぜ!」
「いやです。自分の醜い顔をたくさんの人に見せるなんて…皆さんがかわいそうです。」
「お前さ~誰に醜いって言われたんだよ。」
「中学の入学式前の時に…町を歩いてたら声かけられて…その二週間後にその子たちに中学の入学式で会って、声掛けたら、お前あの時の…醜いなって言われました。」
「そいつ、女だと思って声かけて、そいつが男だって照れてるだけだって!中学生のころはまだガキだからな。」
「いえ、自分の顔は自分では見えないので人に言ってもらったのが正しいと思いますから。」
「いや、だったら俺が言ったことも正しいってことになるだろ!」
「そ、そうですけど…」
「よし、じゃあ、今度は俺に敬語禁止な!もし使ったらこれも罰ゲームな。」
「え、無理です。敬語は癖なので…」
「いや、癖じゃないだろ、お前何回か敬語じゃなかったからな。」
「いえ、無理です。」
「あ~もうじゃあ、敬語は一日3回で一回罰な。」
「はい…分かりました…」
こうして僕はなんだかんだで和希とは仲良くやれそうだと思った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 16