アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
爽紀Sid
-
先輩がオシャレなティーポットちカップ二つ、苺のショートケーキとチョコレートケーキをこれまたオシャレなトレイに乗せて戻ってきた。
「はい。お待たせ。チョコケーキとショートケーキどっちがお好みかな?」
「僕はどっちでも大丈夫です。」
「じゃあ、二人で両方とも半分にしょうか!」
「はい。それにしてもオシャレで可愛らしいティーセットですね。」
「うん。学校の中にあるカフェだとは思わないよね(笑)」
「乙姫君はミルクティーに砂糖入れる?」
「僕やります。」
「じゃあ、今回はお願いしょうかな?俺は砂糖一杯だけ入れてもらえるかな?」
「分かりました。」
「ってか前髪邪魔にならない?やっぱり俺やろうか?」
「いえ、大丈夫です。慣れたので…はい。奏輝先輩、どうぞ。」
「ありがとう。勿体無いよね〜そんな可愛い顔してるなら見せたほうが絶対いいのに…」
「そうおっしゃてくれるのは先輩と和希君ぐらいですよ。」
「絶対皆可愛いって言うと思うけどな〜」
「もう、いいですよ…僕のことより和希君の話しませんか?」
「和希より、今は乙姫君のことが知りたいな〜」
「僕なんかのこと話してもつまらないと思いますよ。」
「そうかな?俺は聞きたいことあるけど?」
「僕なんかに聞くこと会話が続くほどありませんよ?」
「じゃあ、試しに一つ質問。乙姫君の親御さん何してるの?」
「二人とも舞台関係の仕事してます。」
「へぇ〜あ、もしかして乙姫誠さんと千夏さんの息子?」
「はい…」
「そうなんだ〜親が有名人だと大変?」
「いえ、そこまで…」
「そんなんだ。俺の親は親父がイギリス人のピーター•セシル、母親がマナー講師の桐島華奈恵なんだ。知っ
てるかな?」
「もちろん知ってます。ものすごく美人のマナー講師が先輩のお母様ってなんか納得です。お父様のセシルさ
んはものすごくイケメンで確かイギリスの中流貴族育ちでしたよね?」
「そう!よく知ってるね。」
「母がよく先輩のお母様の本読んでますから。」
「マジで、母親に伝えとく!絶対喜ぶと思うから。」
「僕の母も喜ぶと思います。ところで…あの…せ、先輩は両親が有名人で大変だと思いますか?」
「少し…皆から俺のマナーとか態度とか全て見られてるんじゃ無いかなとか、出来て当たり前とかっていう期待の目があるから、色々考えて行動しないといけないから…」
「それはわかります。でも先輩は何をしても様になるから羨ましいです。」
「そんなこと無いよ…」
「ごめんなさい。先輩の苦労とか何も知らないのにこんなこと言って…で、でも、本当に部活動紹介の時の演
技とか、本当に物語の世界から飛びたしてきた王子様の様でした。本当に素敵でした。」
「ありがとう…俺のことはこれぐらいにして、もっと君の事が知りたい。」
「僕のことですか…他にお話することなんて…」
「乙姫君家族はお父様とお母様だけ?」
「いえ、兄が二人います。」
「ヘぇ〜いいな。俺は一人っ子だから羨ましいな〜。お兄様も芸能かつしてるの?」
「はい!長男の奏士はTVを中心にモデルとしても活動していて、次男の颯太は今アメリカで俳優しています。」
「ふふふ。自慢のお兄様なのかな?話してるとき顔がとっても楽しそうだ。」
「すいません。お恥ずかしいところを…」
「なんで?俺はいいと思うよ。俺にこんなに思ってくれる弟が居たら溺愛しそう。w」
「はははw」
「もうすでに溺愛されてる感じかな?w」
「妹みたいに…」
「妹みたいにかwあ、そういえばどこかで妹さんが居るって聞いたことある気がするんだけど、お兄様だけ?」
「は、はい。ぼくが末っ子ですよ。」
「そっか、気のせいかな?まぁ、とりあえず乙姫君のお兄様方の映画観てみるよ。顧問の先生に舞台ばっか
りじゃなくってたまには映画観て勉強しろって怒られちゃってwなんかオススメの映画とかあったら教えてくれ
ると嬉しいな〜」
「こ、こんな僕のオススメで良ければ!」
「ありがとう。今日支給されたよね?学校校内用の携帯?」
「あ、はい。」
「OK!じゃあ、学校IDと番号教えて。」
「はい!」
「よし!登録完了!あ、ソウ君って呼んでもいい?」
「ソウですか?」
「ダメかな…」
「いえ、僕は全然大丈夫です。ただいつもと違うあだ名だったので、ビックリして…」
「え、いつもと違うの!ヒメって呼ばれるのは嫌かなって思って、でも名前が同じだから自分のこと呼んでるみ
たいで恥ずかしいから、短縮してソウって思ったんだけど、どうかな?」
「僕は本当に何でも大丈夫です」
「本当に?ヒメになってもいいの?」
「小さい頃からそんな感じで呼ばれてたので…」
「そっか、ヒメ呼びはみんな考えるのか…じゃあ、姫君(ひめくん)は?」
「そのあだ名は初めてです。姫君(ひめぎみ)はあったんですけど。」
「普通はひめぎみになるよねw初めてだったら、あだ名決まりだね。よろしくね。姫君!」
「こんな僕ですがよろしくお願いします。先輩」
「俺の名前覚えてる?w」
「はい。桐島奏輝先輩ですよね…」
「よかった〜先輩としか呼ばれないから覚えてないのかなってw」
奏輝さんはこんな僕にでも優しく、表情がコロコロ変わる役者向きで面白い人だと思った。
「あ、あまり先輩と関わった事がないのでなんとお呼びすればいいのかわからず…不愉快ですか?」
「いや〜先輩と呼ばれて不愉快な思いする人いないと思うよwでも、俺は名前呼ばれたいね。奏か奏輝って
呼ばれたいかな。部活内でもそう呼ばれてるしね。」
初対面で呼び捨ては僕には無理だし、それに僕なんかが先輩を呼び捨てにしていいはずがない…
「えっと…」
「名前一緒だから呼びにくい?」
僕なんかにそんな純粋な目を向けないで下さい…
「そ、そんなわけではないのですが…」
「じゃあ、呼んでよ。奏って」
僕は先輩の無垢な瞳に負けた…
「そ、奏輝先輩…」
こ、これが僕の限度です…
「奏輝先輩か…今は初対面だからね、無理して言ってくれてありがとう。でも、その呼び方の方が距離が近い
感じがして嬉しいよ!」
先輩は本当に嬉しそうだった。先輩の笑顔は人を幸せにする力があると思う。天性の役者だと思った。
「こちらこそ僕にそのような言葉をかけてくださるなんて…」
「俺は言いたいことしか言わないよ。楽しいからまだ居たいけど、そろそろ部活行かないと、5、6月にある舞
台と映画の構成とか新入部員の育成もあるしね!」
「忙しいですね。僕に手伝えることがあれば言ってください。」
何も考えずに言っていた。
「あ、すみません…僕なんかに手伝えることありませんよね。本当にごめんなさい。」
「手伝ってくれるの!?俺が詰まった時にアイデアとか一緒に考えてくれると本当に助かる。」
先輩は本当に嬉しそうだった。
「僕なんかにできますか?」
「アイデア考えるのに人数いた方が違う案が出て、進みが良くなるから!」
先輩の笑顔に背中を押された。
「じゃあ、手伝えることがあれば言ってくださいね…そ、奏輝先輩…」
先輩は太陽のように暖かく眩しい笑顔で頷いた。
「じゃあ、またお茶しよう。あとオススメ教えてね。バイバイ」
「はい!頑張ってください!」
僕も先輩につられて笑顔になった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
12 / 16