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奏輝sid
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【コンコン】「彰人〜入るよ〜」
「どうぞ」
気怠そうな声が聞こえ、先生がこれで良いのかと思いつつ彰人の教員室に入った。
「お疲れ~どうだった?ナ・ン・パw」
「楽しんでるでしょ…」
「楽しんでねぇよw」
完全に楽しんでいる彰人を見てため息が出そうになった…
「今ため息つきたいなって思っただろwでもつかない所がさすが貴族の息子というか、マナーの先生の息子だよなw」
「うるさいよ。そんなこと言ってると報告しないよ」
「ごめんごめんwどうだった」
何とか昔話を終わらせ、経緯を交えながら話していった。
彰人は簡単に相槌を打ってくれたからスムーズに話が進んだ。
「彼の容姿や立ち振る舞いは女役の才能があると確信出来た、舞台の知識もあるし、異例のスカウトという形をとっても本領発揮というか才能が開花すればみんな納得すると思うけど…」
「引っ張ってこれそうか?」
「どうかな…すぐには難しいかも…演劇自体には関心があるみたいだけど、それだけで引っ張ってくるのは難しいかな…」
「何が問題?」
「彼の性格と立場が問題かな…」
「性格は和希が言っていた感じか?」
「そうだね…もっとかもしれない…」
「そっか…俺も乙姫の担任の先生に話を聞いてみたが、周りの同級生にも敬語で口癖は『すみません』みたいな感じの子らしい。」
「そんな感じの子だったよ。」
「性格は暗くても役になりきることが出来れば関係ないが、乙姫の立場というのが気になる、説明してもらえるか?」
「彼は彰人が言っていた通り乙姫家の三男だったよ。輝く芸能一家だからこそ、変なルールというかプレッシャーが彼の中にあって、そういうのが足枷のようなものになって、彼が気軽に舞台に立てない理由なのかもしれない。」
「だから、その足枷を外すまで舞台に上がることは難しいってことか…新人公演に出したいけど…」
「今年の新人公演はあと2か月後…難しいかな…」
「あと二か月もあるから奏輝なら出来る。期待してるぞ~あ、そろそろ俺も寮に帰らないと」
そう言いながら彰人は俺を追い出す素振りを見せた。
こういう時の彰人は無茶ぶりだと分かっていても、どうにかしてほしいという願いが強く込められていることを表している。
それが分かっているからこそ俺は何も言わず部屋をあとにした。
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