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会社を出ると、外はまだ夏の暑さが残っている薄闇で、息苦しさを感じてネクタイを緩めた。歩き出すと、汗が吹き出てくる。
アスファルトの焼けきった、8月の夕方。まだ全然暑さの引かない空気にうんざりした。ポケットからタオルハンカチを出して汗を拭うと、噛み殺していたため息が口からポロっと落ちてきた。
ため息は不幸を呼ぶよと誰かが言っていたのを思い出すが、そんなの上等だ。ため息をつくと、ほんの少し息苦しさが消えるのだ。
ポケットにハンカチを仕舞うと、また歩き出す。
そして、俺は唐突に出会った。
俺の、天使に。
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