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8月の中旬、暦では立秋を過ぎたというのに全然秋らしさなんて感じない例年を超える猛暑に母親と父親はとうとう開き直って一日中冷房は付けっぱなしとなった。
それから今日はお盆で東京から帰省してきている幼馴染みが僕の家に遊びに来ていた。
「ねえ凪、俺明後日まで仕事休みだから明日海浜公園の祭り行こうか」
「…また唐突だね涼くん」
タブレット端末にダウンロードしてあるお気に入りの小説を読むのを止めて自分の部屋の様に寛いでいる長身で、爽やかさを隠そうともしない年上の幼馴染みに目を向ける。
祭り確か明日だよね?と再度自分に確認してくるムカつくぐらい良い男に僕は、昔から恋をしている。
「いいじゃないか祭り。俺ここ数年どこの祭りにも行けてないし、凪と遊ぶ時間も作れてないんだから」
「別にいいよ遊ぼうとしなくたって、僕だってもう高校3年だし…涼くんこそ折角の休みなんだから家でのんびりしてなよ」
「いーや、俺が凪と遊びたい。昔は涼くん涼くんって鳥のヒナみたいに俺の後ろくっついて回って、遊べないってわかるとぴーぴー泣いてただろ」
「…っ、いつの話してるの!…でもそんなに行きたいならついて行ってあげてもいいよ…無駄遣いしないか見張るから」
「はは、頼む。一人暮らしする様になったら生活費の遣り繰りが大変なの痛感したから」
「嘘つき。涼くん大手会社のもう部長任されたんでしょ、母さんが騒いでた。」
そう、僕は本当に小さな頃から年上でかっこよくて頭が良くて色々な遊びや勉強を教えてくれた涼くんが大好きだった。
そんな昔の事まで覚えてくれているんだとわかり、嬉しさと同時に恥ずかしさも込み上げてくる。
赤くなった顔を隠すように端末で顔を隠しながら久しぶりに涼くんと出掛けることができる嬉しさににんまりと口角が緩んでしまう。
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