アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
まふそら〜あなたと過ごしたあの日々を。〜 4
-
そらるside
それからは、まふの手のリハビリの為に、毎日病院に通った。
痛みで泣きそうになるまふを元気付け、他愛ない話をして過ごした。
うらたくんやさかた、天月やluzもたまに来て、まふと遊んで行った。
俺は必ず、消灯の最後の最後までまふの傍に居た。
そして、3ヶ月経つと、ほぼまふの手は自由に動くようになり、退院する日が近付いてきた。
しかし、退院前日になっても、記憶だけは、戻らないままだった。
「まふー?そろそろ準備できたか?」
「え…あ、はい」
まだ、まふ、と呼ばれることに慣れていないのか、生返事だ。
「そらる、さん」
「ん?どうした?」
俺は振り向いて、目を見開く。
「ぼく…ぼく…」
まふが、涙を流して俺を見つめていた。
「ど、どうした?」
「なん、で…思い出せないの……ぼく…なんで…」
しゃがみ込み、泣きじゃくるまふに駆け寄り、背中をさする。
「あなたの、ことを…あなたと過ごした、あの日々を……!どうして……!!ぼく…、は……」
「まふ…」
「ねぇ、そらるさん…」
泣き笑いの表情で、まふは言った。
「僕、あなたのことが好きです。大好きです。だから、もし…」
「僕の記憶が戻らなくても、傍に、居て」
「笑って、くだ、さい…」
「そんなの…分かってるよ」
俺も泣き笑いになってしまう。
それを俺とまふは誓い、退院日を迎えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
44 / 78