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まふそら×さかうら〜絶対に忘れないから。〜 2
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そらるside
うらたくんと坂田が帰った後、俺はあることを思い出し、ため息をつく。
ーー先生、まふの記憶はどうやったら戻りますか?
こんな長い期間、記憶が戻らないのは前例に無いですね…
まふの記憶は、戻るんでしょうか…?
分かりませんが…まふまふさんは、歌い手の活動をされてるんですよね?
はい、そうですが…
病院ではできませんが、自分の歌った歌を聞いたり、歌ってみたりしたら良いかもしれません。
なるほど…試してみます
……あ、そうだ。
はい…?
記憶が戻った場合、記憶が無かった間のときに起こったことは覚えていないことが多いので、気をつけて下さい。
え…?
例外はありますがね。そういうことがほとんどです。
そう、なんですか…ありがとう、ございました…
はい、何かあったらまた来てくださいね。
分かり、ました…
ーーーまふは、記憶が戻ったら、今日のことも、そして俺が好きだという気持ちも、忘れてしまう。
そんなの…俺は、どうすりゃ良いんだよ。
まふの記憶は、戻してやりたい。けど…
戻してしまったら、俺とまふが付き合っていたことは、無いことになってしまう。
そんなの…そんなのって…
「そらるさん?どうしたんですか?」
ベッドに座りながら、少し心配げにまふは俺に問う。
俺は何も答えられなくて、余計に気持ちが沈む。
すると、ふいに身体に温もりと重さを感じた。
「そらるさん、大丈夫ですよ。何かは、僕には言えないのかもしれないけど…」
「僕と、そらるさんなら「やめて…」え…」
「やめろ!!」
俺はまふを引き剥がし、立ち上がる。
俺はハッとしたが、もう引き返せなくて、まふに背を向ける。
一瞬見えた、まふの顔は、驚きと困惑と…そんな感情が入り混じったような顔で。
「そら、る、さん…?」
「俺…怖いんだよ、お前の、まふの…記憶が戻って、俺と過ごした、日々を、忘れるの…」
「え…そんなの分かんな「医者に聞いたから!大抵の人はって…!!」例外はあるんでしょう!?」
「僕もそれくらい分かってます!!僕だって、僕だって…この日々を忘れたくないです!!けど」
「僕は、どんな僕でも、どんな貴方でも、貴方のことを愛してます!!!」
「それだけは、分かるんです!!!」
まふの言葉に涙が零れそうになるが、恐怖は消えない。
そうかもしれない、けど、けど…分かんないんだ、俺…
「ごめんな、まふ…こんな、俺で…」
「そらるさん!?どこに行くんですか!!」
こんな俺で、いたくない。
俺はまふの家を出る。
何も持ってきていない。どこに行くでもない。ただ…
まふの傍に居たら、何もかもを忘れてしまいそうで、怖いんだ…
しばらく歩くと、雨が降ってきた。
俺はその場で立ち止まり、どうしようか考える。
でも、何か思いつく前に、俺の意識は途切れた。
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