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りいころ〜たくさんの愛を、君に〜 3
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ころんside
「……ふぁっ!?」
ふと目が覚め、飛び起きる。
すると近くで、「ぶっ」と吹き出す声が聞こえた。
「あはは、おはよ。変な声出すね」
例の、赤髪の生徒だ。
「え、あ、あの…」
僕が、絡まれたのは授業が終わってすぐだったから…
「あ、現状分かってない感じ?かな?」
ふふ、と笑みを零して、彼は言った。
「大して眠ってないよ、まだ下校時刻じゃないしね。だから、ここは保健室」
「あと、敬語じゃなくて良いよ。同じ学年みたいだし」
「あ…」
先輩なのかと思ってたけど、よく見るとネクタイの色が同じだった。
「…あの、何か、お礼…」
「えっ!そんなの良いよ!」
「いや、でも…」
うーん、と彼は困った顔をした後、こう言った。
「じゃあ、俺の家に来て、一緒に遊んでよ!」
「えっ…そんなので良いの…?」
僕は、ポカンと彼を見る。
「だって、俺の友達なんてそもそも少ないのに」
「るぅとくんも生徒会長になっちゃったしさぁ…」
はぁ、とため息をつく。
「さ、そうと決まれば、行こうよ!」
「あ、う、うん!」
パッと手を取られ、慌ててベッドを出る。
すると、僕はバランスを崩して、彼の方へ倒れ込んでしまった。
反射的に目を瞑り、床に手をつく。
「え、あ…」
無事だったことを確認し、目を開けると、
綺麗な彼の顔が、びっくりする程、それこそ、キスができてしまうくらい、近くにあって。
自分でも、顔が赤くなるのが分かった。
「あ、ご、ごめ…」
「べ、別に良いから、さ、早く、どいてよ…!」
彼は慌てて僕を座らせる。
「はぁー…」
彼は、顔を赤くさせ、またため息をついた。
「…じゃあ、行こうか、ころんくん」
「え、なんで、僕の名前…」
「あー…るぅとくんに聞いた」
少し照れたように笑う彼。
「あ、俺は莉犬だよ。よろしく」
それを隠すかのように、はにかむように笑う彼。
そんな彼が、なんだか、愛しく思えてきてしまって。
「ほら、行こ?」
もう一度、手を取られる。
顔が熱くなるのが分かった。
言えない。
キスできてしまっても良かった、なんて。
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