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Prologue~不案内のパリで
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「Excuse moi...」
瑠衣は道端の人たちに声をかけていく。
当然、ネイティヴなため、早口。聞き取れるわけがない。
「・・・わあ・・・解らないよ・・・」
瑠衣は途方に暮れていた。
「はぁ・・・わからないや・・・このままだと、ホームレス状態だ・・・どうすりゃいいんだ・・・?」
諦めかけていたとき、一人の男性から詳しい道筋を教えてもらうことができた。
「そのメモを見せてくれないか?」
(無論、フランス語です)
「Oui(ウイ)?」
瑠衣はその男性にメモを渡す。かなり背の高い男性だ。
気高い容姿を兼ね備えている。
メモを見るなり・・・
「すぐ、目の前の建物のところだ」
「Merci,monsieur」
瑠衣は早速、部屋に入っていく。
「・・・もう・・・夜だ・・・コンビニあるわけないしな・・・あ~あ、腹が減ってきた・・・」
「たしか、下はデリカテッセンがあった・・・そこで、サンドイッチでも買うとするか」
瑠衣は階段を下りて行く。
「Bonsoir」
店員たちが瑠衣を出迎えていた。
しかし、店内は残り僅かの商品だった。
「・・・仕方ないよね・・・閉店間近だしね・・・」
瑠衣は諦めムードだった。
「Quich s'il vous plait」
(キッシュをください)
指さしフランス語の本を片手に瑠衣は店員とやり取りをする。
4.5ユーロするが、閉店間近ということもあり、30%オフとなっていた。
チーズの味が効いたキッシュ・ロレンヌ、ペリエを買った。
早速、部屋に戻って、キッシュ・ロレンヌを口にする。
「C'est bon!」
(美味しい!)
お腹は膨れた。
瑠衣は不案内のパリを案内してくれた男性がとても気になる。
特徴は・・・
緩い癖のあるブロンドヘア(天然ではないようだが、質感の良さを感じさせる色合い)。男でありながら、まさに、丁寧に手入れされたような雰囲気だ。薄茶色(ヘーゼル)の目、高い鼻梁、アーモンドアイ(当然、つり目)、反り返った長い睫毛、逆三角形の小顔・・・ギリシャ彫刻を彷彿させる端麗すぎる顔立ち。
背丈も瑠衣よりも10cm以上も高い。肩幅も広く、驚くほど手足も長い。
パリコレモデルと間違えられても、バチは当たらないであろう。
「どこかのファッションモデルだろうな・・・フランス現地のファッション誌に登場しない号はない、というほどだろう・・・」
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