アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ダヴィッドならでは
-
ダヴィッドのヘアスタイルは、少しばかり、緩い癖がある。
外国人特有の癖毛だろう。
一度、カットはしているけど、伸びてきている?
瑠衣は思う。
「ダヴィッドの髪形に憧れる」
髪の毛の色、無造作っぽい雰囲気。
流れるようなブロンドとなると、誰もが振り返る。
プラチナブロンド、サンディブロンド、ゴールドブロンド・・・ブロンドはひと通りではない。
元の髪の毛は明るい栗色の髪。
ダヴィッドの雰囲気を汲み取りながら、スタイリストはカラーを提案する。
「元の髪の毛の色を活かしつつ・・・」
ヘアスタイルのオーダーシートは、フランス国内の若い男子が参考にすることも少なくはない。
リュカは一度だけ、ブロンドにしたことがあった。
しかし、フランソワたちは
「なんか違うな」
違和感だけが残る。弟のマチューも
「兄さんらしくない」
ヴェルサイユの実家に戻った際、父パトリスに叱責された。
「あのヘアカラーは、ダヴィッドならではだ!おまえがやると、安っぽくなるだけだ!」
個性的な顔立ち、無精髭で雰囲気を醸し出しているリュカ。まして、タトゥー持ちとなると。
リセ・モンテーニュの教諭たちも
「あの無造作な髪型やカラーは、ダヴィッドならではよ。ルイ・シャルル王太子、ジャン=ダヴィッドの生き写しだから違和感なく決まるのよ」
エポニーヌ・デュプレイ。ダヴィッドの元婚約者のアンヌとリセ時代の同期生。
教え方もとてもよく、生徒たちからの信頼は絶大。
ダヴィッドの髪型は、女性のオーダーも近年、チラホラと目立ってきている。
ガエル・メッシーナも黒髪だけれど、ダヴィッドのヘアスタイルとほぼ同じ。
「俺も、ダヴィッドと同じヘアスタイルをオーダーしたことあったけど、なんだか、しっくりいかなかったな」
テオ・イジュラン、21歳。
テオはダヴィッドにあこがれていて、ファッションや髪形を参考にすることもしばしば。170cmに満たない身長で中肉。
しかし、髪形だけはどうしても、しっくりいかなかった。
すぐさま、元の髪の色に戻した。当然、髪のダメージは避けられなかったため、坊主にしたほど。
「テオ、おまえには無理だ。田舎臭く野暮ったくなるだけ」
笑いをこらえながら言っているのは、22歳のジュリアン・べアール。テオの同期生でかなり、口が悪い。ツンデレのきらいがある。
「ジュリアン!そんな言い方ないだろう!?」
コンコルド・就業時間終了後。
ロッカールームでフランソワと瑠衣たち。
瑠衣の髪の色は焦げ茶色。
「ダヴィッドならではだよねー。僕がブロンドに染めたら、フランたちは耐えられるかな?」
「違和感アリアリだ!ブロンドのルルは怖い・・・」
レイモンとフランソワは顔面蒼白だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
94 / 656